第13話 上を見て生きる訳

小2の時に家庭の都合で春日部市に引っ越して、転入先のクラスに特殊学級に居るような子が居たのですが、ついクラスメートの尻馬に乗ってからかってしまった事があって、その子の母親に叱られた事がありましたね。その時は何故そこまで怒られなければならないかと思ったのですが、じわじわと恥ずかしくなってきたのを覚えています。前の学校では自分は苛められていて下の立場の人間を見たことが無かったんですね。

小3の時に新しいクラスになって、同じ班にしばしば粗相をする女子が居たのですが、当然臭う訳でクラス中で差別の対象になって問題になりました。ただその子はむしろクラスで優秀な方でした。担任の年配の優しいおばさん先生が泣きながらクラスの一人ひとりに詰問するんですよ。僕の番になって弁明したら、その先生が一層泣くんですよ。僕の事はいつもニコニコしているいい子だと思ってくれていたんですよ。だからその時の光景は生涯脳裏に焼き付いてしまいました。

その時で問題は解決したと思ったのですが、小5のクラス替えで再びその子が粗相をしだしたのですが、その頃は栄光ゼミナールの同じクラスに通っていたので塾では着替えて来ているみたいで臭いも全く気にならず僕とふざけ合っている位でしたし、その子は四谷大塚の受験勉強でストレスでもあるのかなと思っていたのですが、どうやら女子のグループ間で何かあったんだろうと思いました。僕は塾では学校の事は一切触れるようなことはしませんでしたし、小5の担任は恫喝してクラスを黙らせて解決したみたいでした。

小5いっぱいで現在の町に我が家は現在の町に引っ越しました。寄せ書きにその子が「君が頭が良いのは認めよう」と書いてくれていました。馬鹿というのは同じ事を繰り返す事ですし、塾で彼女の弱みを一切発言しなかった事を評価してくれたんだなぁと思いました。僕は下を向いて生きるのはやめようと誓った瞬間です。

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