第7話 ビックリマンシールの思い出

僕が小4の頃、突然兄がビックリマンシールを収集し始めました。ヘラクライストが出始めた頃だったと思います。兄がどうやって収集したのか知りませんでしたが、あらゆるコネを使って初期のシールや専用アルバムまで収集していました。

僕は遠足の時、ウケを狙おうとして聖フェニックスのシールを兄に借りてクラスメートの前でフェニックスが当たったとホラ吹いてしまいました。そしたら僕が少し場所を離れている間に盗まれてしまったんですよね。

犯人は誰か後にあぶりだされたのですが、そいつが他のクラスメートに譲渡したらしいんですよね。それを知った兄が譲渡されたクラスメートに千円渡すから寄こせと言ったらしいんですね。それは困るからクラスメートが僕に返金して来たのを覚えています。

兄の財布事情から察するに、母親の財布から金をくすね、カネの力でコレクションしていたのかもしれませんね。前に一度、僕に万札をチラつかされたことがあったので、点と点がつながって線になりました。僕も両親に知らせずご相伴に預かっていたのですから同罪なんですけどね…。

一年後、兄はビックリマンのコレクションを他の奴に僕の面前で譲渡してるのを目の当たりにしました。僕は一瞬静止しようかと思いましたが、僕に所有権がある訳ないし唖然とするしか出来ませんでした。人間、悪い事は出来ないんだなとも当時思いました。しかしながら、最近ビックリマンシールが高額取引をしているのを知って、兄は僕がくすねたか無くしたのかと疑っているみたいです。

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