第2話 一言で済ませる事に美学を覚えた訳

僕は1993年4月に、駅から徒歩1分の所にある埼玉県立の男子校に入学しました。学校の集会とか普通、校長が長話をするじゃないですか?でも僕の高校の校長は違いました。兎に角一言で済ませるんです。その一言には主旨も含まれているので適当に済ませている訳ではありませんでした。その校長も同校の出身者だったことも相まって親近感もありました。

僕は入学式の帰り道、慣れない靴を履いて走って半月板を損傷する怪我をしました。朝早く父親に学校まで送られた時、その校長が気を留めて話しかけてくれたのも嬉しかったですね。

体育祭の終了の時に校長の締めの後に校長と握手をすると現役で大学に受かるという逸話があったので、高2の時に握手をしようとしましたが失敗したのも良い思い出ですね。

高3の時は定年退職で辞められて別の人に代わってしまい長話を聴かされる羽目になったので、自分は一言で済ませる美学に目覚めてしまいました。


時は流れ、長嶋監督が通っていた大学の経済学部の金融論の期末試験の時の問題で、数問あっていずれも簡潔に答えよとありました。僕はいずれも一言で済ませてしまいました。この手の問題はキーワードをてんこ盛りに回答すれば良い成績を上げる事が出来るのが定石です。結果は可でした。でも僕の回答は的を射ていたんだと思います。

一言で済ませる美学は捨てられません。

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