斜め上の未来
電出デン
第1話 去らば21世紀
未来は今よりも良くなっているはずだ!
きっと空飛ぶ車やお世話をしてくれるロボットが発明され、未来人は夢のような生活を送っているに違いない!
とにかく未来のテクノロジーを見たくて仕方がない私は、周囲の反対を押し切って某研究機関の人体実験の被験者第一号に志願した。
それはコールドスリープを受け、100年後に目覚めさせてもらうというものだ。
今書いている報告書を提出すれば、実験への参加と必要経費(今後の生活費の全て)を保証してくれるという内容だった。
こんなにおいしい話は無いと、私は二もなく飛び付いた。
「本当によろしいのですか?
一度眠りにつけば、そこは100年後の世界です。
もう大切な人にも会えませんし、この21世紀を謳歌することはできませんが……」
研究員さん(規約のため個人名は書けない)が心配そうに尋ねた。
現在に未練は無いのかという最終確認だ。
無論、オールOKだ。
「思うところはありますが、何より未来への憧れを抑え切れません」
ちょっと格好つけてそう言った。
「わかりました。
では、改めて説明させて頂きます。
あなたにはコールドスリープを受けて頂き、安全が保証される限りは100年後に目覚めて頂きます。
有事には私共の判断で目覚めさせて頂きますが、よろしいですか?」
「大丈夫です。よろしくお願いします」
「では、良い未来へ」
そして私は100年の眠りについた。
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