42. パワーメタルの血脈【メタル】ANGRA/HIBRIA/SABATONほか

今回お送りするテーマはパワーメタルです。JUDAS PRIESTやACCEPT、MANOWARなどの正統派メタルの攻撃性を強調したサウンドが特徴のジャンルです。


中にはHELLOWEENなどを経由したメロディック・パワーメタルも含まれますが、同じく派生したメロディック・スピードメタル(所謂メロスピ)は除外しています。


もっとも、この辺りのニュアンスは曖昧なので、あくまで筆者個人の解釈によるものとさせていただきます。



紹介バンドと、その公式動画をまとめたプレイリストです。


★パワーメタルの血脈【メタル】

https://www.youtube.com/watch?v=OKPZBugBbgg&list=PL_guDDmuRSVV5BEpEbflvRdfhr0wsln-g



HIBRIA

SPELLBLAST

VISION DIVINE


CRYSTAL VIPER

ANGRA

SABATON



※SABATONのみ「The Ghost Division」ライヴ映像と「Shiroyama」リリックビデオの2曲を収録しています。




◆HIBRIA


ブラジルはテクニカルで熱いバンドが多いですが、その代表格。複雑なアレンジでも決してプログレに傾かないのは、常に前のめりな勢いゆえでしょうか。幾度もの音楽的変遷と大幅なメンバーチェンジを経て現在も活動継続中です。


◇まずはこの一枚

『The Skull Collectors』(2008)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/77fg9J2NUBnEBM2syylkSG?si=V4TzKnuvTh2gCMabVNd4IA


初期メン揃い踏みの名盤2nd。メタルの自己同一性を突き詰めた鬼気迫るインテンスが全体を覆っています。「Tiger Punch」は全メタラー必聴の神曲。




◆SPELLBLAST


イタリア勢。時期によってフォークメタル風だったり、シンフォニックだったりと、多彩な持ち味を見せていますが、それも表面上のこと。よく聴けばIRON MAIDENに始まる王道メタルがしっかり根を張っているのが確認できます。


◇まずはこの一枚

『Classified - V』(2022)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/64jFA5XLsqqvUE2w9LyZ8p?si=EAwfOUR5TICVRMVcpbypRA


5thにして突然変異的にお出しされるのが、往時のAVENGED SEVENFOLDを彷彿とさせるパワーメタルという驚き。中盤Tr.4、Tr.5辺りが特にそれっぽいです。




◆VISION DIVINE


カバー曲特集(第16回)で紹介済み、同じく伊産。LABYLINTHと掛け持ちのOlaf Thorsen(Gt.)を中心に、凝った曲構成やテクニカルなフレーズを盛り込んだプログレメタル的なテイストが持ち味。歴代Vo.はいずれも歌唱力抜群です。


◇まずはこの一枚

『Angel Of Revenge』(2018)※Single

https://open.spotify.com/intl-ja/album/6i2YlWnGeQeQCYMCpTN22L?si=nf8Fk6AaRgGZ3ldBqgJcTQ


Ivan Giannini(現Vo.)初お披露目曲。バンド休眠期間を経てMVが公開された時の感動は今も忘れられません。アルバム未収録ながら文句なしの代表曲です。




◆CRYSTAL VIPER


女帝Marta Gabriel(Vo/Gt/Ba)率いるポーランドのバンドです。そこそこのキャリアを持ちながらも、寸分もブレることのない音楽性こそ信頼の証。何より、クラシックなメタルを心底愛する気持ちが伝わってきます。


◇まずはこの一枚

『Tales Of Fire And Ice』(2019)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/6kHEugpKGy6RkFzNnBVFXW?si=Vyf8F3AUTvekIvd2BBguEA


パワー一辺倒だったサウンドに変化がもたらされた7th。いつもながらのパワメタ曲は勿論のこと、切々と歌い上げるバラードも結構なお点前です。




◆ANGRA


初代Vo.を務めた故・Andre Matosや、現MEGADETHのKiko Loureiro(Gt.)を輩出したことで知られるブラジルの至宝。唯一のオリメンRafael Bittencourt(Gt./Vo.)と名手Felipe Andreoli(Ba./Gt.)を中心に現在も活躍中です。


◇まずはこの一枚

『Temple Of Shadows』(2004)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/2KAXVCgmYm1vmmiULYFFwl?si=ey1XzYczRtqAuBHFcmnsWA


十字軍の裏側を描いたコンセプト作5th。技巧性、ドラマ性、楽曲のクオリティ、どれを取っても超一級品の歴史的名盤。当時Vo.のEdu Falaschiは本作の音楽性を継承した作品をソロで発表し続けています。




◆SABATON


戦争をテーマとした曲を作り続けるスウェーデンの雄。モヒカン/グラサン/防弾ベストがトレードマークの中心人物Joakim Brodén(Vo.)の強烈なアピアランスと、がなり立てる歌声は、楽曲との相乗効果抜群です。百聞は一見にしかず。


◇まずはこの一枚

『The Art Of War』(2008)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/0ByHC8GAef76h66JrvigzE?si=RLUTCcNFReKSm1i1N8kV3A


代表曲「The Ghost Division」収録の4th。会場を埋め尽くす聴衆を熱狂させるポーランドでのライヴ映像は必見。演者含めみんな心の底から楽しそう。


◇さらにもう一枚

『The Last Stand』(2016)

https://open.spotify.com/intl-ja/album/14OgR04PHXULz1svvsol8L?si=uCQ1OqQPQhSOdq4nY4WwNQ


古今東西の戦争における〝最後の戦い〟がテーマの8th。日本からは西南戦争・城山の戦いをモチーフにした「Shiroyama」が参戦。武士道はメタル。




以上となります。6組ともキャリアや知名度はまちまちですが、ブラジルとイタリアからは各2組ずつという結果になりました。


勿論、これまで通り筆者の趣味100%セレクションであり、それ以外の作為はございません。


そんな変わらぬスタンスでお送りする次回のテーマは『叙情派プログレ』となる予定です。10月中旬の更新までお待ちくださいませ。

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