はちみつとよるいろ 〜転生貴族令嬢は、黒髪少女と作家を目指す〜
明里 和樹
貴族令嬢に転生した現代人が、傍から見れば黒髪少女と百合百合してるだけのお話。
第1話 蜂蜜色の少女の独白
「っく……ぐすっ…………」
すると、彼女の
その突然の行動に、泣いている少女はビクリ、と身体を震わせたあと、まるで愛しい者にでも触れるかのように、おずおずと自らの手を彼女の手に重ね、
────はいどうも。ただいま絶賛ボロ泣き中の身ではございますが、皆様はじめまして♪
わたくしの名前はユリティーエ。スペンサー伯爵家が一子でございます。親しい方にはユーリ、ユリィといった愛称で呼ばれる、蜂蜜色の金髪とオレンジ色の瞳をした、家族曰く(黙っていれば)小柄で可愛らしい女の子です。この伝統と歴史ある王立女学園の二年生で、十三歳の貴族令嬢であります。
ところでなぜ今、わたくしがこんな人気のない場所で泣いているのかというと、これにはヒマラヤ山脈よりも高く、マナリア海溝よりも深~い事情があるのです。
ええ、懸命なお方ならこの時点でお察していることかと存じますが、ここは、あえてご説明いたしましょう。
皆様は“生まれ変わり”というものを信じられますでしょうか? ええそうです。漫画や映画といったフィクションなどではお馴染みの、例のあれです。
転生ものの小説などを
……ここだけのお話なのですが、…………実はですね……、わたくし…………、なんと……! ……なんとー…………!(某ゴチになる番組風言い回し)
────前世の! 記憶が! あるのです!
絶望しました!!
“…………え、転生したのに嬉しくないの?” “前世の記憶あるんでしょ? 知識チートで内政無双し放題じゃん!” “前世の価値観で行動してイケメンに「おもしれー女」って言われてモテモテになるんですよね、わかります”
…………ええ、そう思われた
甘い! 甘すぎる! 十万石ま○じゅう! よりも、甘々です!(あくまで個人の感想です)
……あ、ご存知でない方に説明いたしますと、十○石まんじゅうというのは埼玉県の銘菓でしてですね。気になる方は検索すれば画像とか一部地域で有名なCMとか出てくると思いますので、お調べになってみてはいかがでしょうか? 知識が増えて損はないですしね(役に立つとは言っていない)。
……ええと、何の話でしたっけ? すみませんね、わたくしよく話が脱線するもので。姉にもよく注意されるのですが。でも話が脱線する先生の授業とかって楽しくないですか?
……あっ、すいません、いい加減話を進めますので石を投げないでください……。メンタルよわよわなのでディスらないでくださいぃ…………。陰キャなので優しく保護してくださいぃぃ………………(涙目)。
……んん、では、お話を進めさせていただきます(キリッ)。
生まれ変わりのお話でしたね。なぜ、皆様が大好きで愛して止まない(あくまで個人の見解です)、あの、誰も彼もが夢見る“異世界転生”をしたにも関わらず、これっぽっちも喜んでいないのか……?
そんな皆様の疑問にお応えするためにも少しだけ、わたくしの身の上話をさせていただいても構わないでしょうか…………?
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