第2話 クラスメイト
2人は授業の準備をするとそれぞれの教室に向かった。陽葵が教室に行くとほとんどの椅子がもう埋まっていてその中には試験会場で見たあの感じの悪い少年もいる。授業が始まるまでにはまだ時間があるのでとりあえず忘れ物がないかを確認する。陽葵が3回目の確認を終えるとともにチャイムが鳴り、一人の男性が入ってきた。
「早速だが今日は自己紹介から始める。俺の名前は松岡康介だ。みんなよろしく。それじゃ、手前から後ろの順でやっていこう」
なぜか何の前置きもなしに話を進めていく先生についていけてない様子の陽葵。
「自分は網野仁七です」
ただみんながついていけていないというわけでもなく中にはついていけている生徒もいるようだ。
そして一番最初に自己紹介をしていたのはあの感じの悪い少年。第1印象としては最悪だったが、どこか人を惹きつける魅力を感じる。
「私は兼平陽葵です。よろしく」
「よしこれで、全員の自己紹介が終わったな。みんなに配布物があるからこれを取りに来てくれ」
そういうと松岡先生は1人1人にプリントを配った。
「よし、みんなそれを見てくれ。そこには君たちの能力が書いてある」
陽葵が配られたものを開いてみるとそこにはウィッチと書いてある。
「そこに書いてある能力については今日の授業で説明する。全員確認できたか?」
先生は教室を見渡して全員が確認できたことを見ると満足そうにうなずいた。
「みんなその能力のことが気になっていると思うからこのまま授業に入るぞ。ノートを出してくれ」
教室では先生以外の全員が緊張している様子で、まじめに先生から言われたことをやっていて逆らうような生徒はさすがにいない。
「全員出せたな。授業を始めるぞ。まず能力には4種類の基本能力と1種類の例外がある。クリエイト、ウィッチ、ガーディアン、ファイターと例外のコピーだ。
まずは基本の4つを説明する。クリエイトは物を作りだすことができる。ただ、それは無限にできるというわけではなく1日にどの量のものが作れるかの上限が1人1人決まっている。またクリエイトの能力をもってしても新たなものを作ることができない。簡単に言えばそこらへんにある原子をリサイクルしているって感じだな。
次にウィッチだ。これはものを移動させることができる。これで動かせるのは人によって違うが能力値が高い人のものだとなんでも移動できる。ただ、ジョーカーだけはこれの対象外だ。まとめると、例外はあるがほとんどのものを瞬間移動させることができるのがウィッチだ。
次はガーディアン。このガーディアンは空間認識能力が高い。この能力から、基地の護衛だったり攻撃を仕掛ける際の後方支援をやったりしている。前の2つほど目立ちはしないが重要な役割だ。
最後にファイター。ファイターは簡単だ。単純に身体能力が高い。このことから攻撃の際には最前線で攻撃を仕掛けることになる。それとこのファイターがもっとも人口が多い。
そして最初に話していた例外のコピーだ。これは使える人がとても少ないからまだわかっていることが少ない。能力としては近くにいるもののどんな能力もコピーすることができる。これに例外はない。この5つが現在確認されている能力だ。なんか質問はあるか?」
「なんでこの能力を人類は得たんですか?」
「これについてはまだわかっていない。ただ突然変異で得た可能性が高いといわれているな。ほかに質問はあるか?」
「この能力が使えるの時期というのはどうなっているんですか?」
「能力は13歳から19歳までのいわゆるティーンエイジャーでしか使えない。ただ能力を持っているかどうかは生まれた時点でわかることになっている」
「能力を持っていることでのデメリットというものはあるんですか?」
「デメリットはある。この能力は命を燃やして出しているんだ。能力が強ければ強いほど寿命が短くなる。ここにいる君たちの寿命もとても短い。基本もわかったところで今日の授業は終わりにしたいと思う。今日は課題がないが明日からはバンバン出していくから準備をしておいてくれ。じゃあ解散」
そういうと松岡先生はすぐに教室から去っていった。陽葵は授業のスピード感に圧倒されながらも魅力感じた網野に話しかけてみることにする。
「今日の授業すごかったね」
「ん?誰?」
網野はだるそうにこっちを振り向いた。
「うそでしょ、試験会場で隣にいたじゃん」
「あー、あの頭が悪そうな女子か」
「さすがに本人の前でそういうことは言わないべきでしょ」
「で、何?」
話を進めても網野はあからさまにだるそうにしている。
「この教室に知っている人がいなかったから網野に声をかけたの」
「なるほどね。確かに最上位クラスにいる人たちと仲良くしといて損はないかな」
「そうでしょ」
「ちなみに兼平の能力はなんだった?」
「わたしはウィッチだった。網野は?」
「俺はクリエイトだった」
「じゃあ何か作りだせるの?」
網野はあきれたといういう感じで
「お前先生の話聞いてたか?能力は13歳にならないと使えないんだ。まだ11歳の俺達には使えない」
「そうだった」
「これだから馬鹿は」
「網野はその癖を直したほうがいいよ」
「俺は合理的ではない人が嫌いなだけだ」
「それって私だけってこと?」
「もしほかに馬鹿がいればお前だけじゃないけどな」
網野は陽葵を置いて教室から出ていった。
陽葵は網野のそっけない態度にイラつきながら部屋に戻る。
「陽葵、今日の授業はどうだった?」
「授業のスピード感がすごかった」
「やっぱり、こっちもすごいペースで話が進んで大変だった」
「凜の能力は何だったの?」
「私はファイターだったわ。陽葵は?」
「私はウィッチだった」
「いいなぁ、私もウィッチがよかった」
「何で? ファイターもいいじゃん」
「ウィッチは特殊能力って感じがするけど、ファイターは普通じゃない」
「確かに」
「そこは否定してほしかったな」
凜は苦笑して陽葵を小突いた。
2人は部屋の整理と雑談でその一日を過ごした。
あとがき
今回初めて作品を投稿しましたkurarasimonです。なにせ初めて小説を書いているのでどのような終わり方になるのかわかりませんがよろしくお願いします。
やっぱり小説は書いてみると難しいものです。同じ口調で話を続けるということでさえもなかなか大変なものです。
何かアドバイスがありましたら教えていただけると幸いです。
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