第十三話プリンセスクロッサーアステリアモード
「いい度胸だな。壁にでもなる気かぁ?ヒャッハー!」
フランデンはカモだと感じ兵士達に斧を振り回す。もはや彼らに動き回る体力はなく盾越しに弾き返されるしかできない。
ケイネスは後方から魔弾を放ちながら徐々に苛立つ。イサミはいい加減どこでなにをしているのかと。
「ぐ、らぁぁぁぁぁ!」
他の兵士が動けなくなりケイネスはやけくそ気味に彷徨する。
「ちょっと待ったー!」
いざ飛びかかろうとするとイサミの声が響く。目を見開き彼の走ってくる内部を見詰める。
「来たか」
フランデンもニヤリと興奮しはじめた。
「変わってる…………」
ケイネスはイサミの青い鎧に思わず呟く。
「待たせたな。ここからは、プリンセスクロッサー纏勇様が相手だ!」
イサミはサーベルを向けてフランデンに宣言した。
アステリア王女はイサミの名前が違うことに違和感を抱く。
「ほう、気配も二つある。見せてみろ、その力を!」
フランデンもイサミに向き合い宣言を返す。
「はぁっ!」
イサミは接近しサーベルをフランデンの横から振るう。
「ふん。なにっ」
フランデンは斧で対抗しギリギリと音を立てぶつかる。だがすぐ押され退いてしまう。
「らぁっ!」
イサミはサーベルゆえに突きを連続で行う。
「は、はやい…………」
フランデンは対抗できずダメージを受ける。
「うぉー!」
構わぬものかとフランデンは斧を振り下ろす。イサミはその斧を盾で弾きつつエネルギーを込める。
「ごはっ!」
フランデンは予想外な反撃に膝をつく。
「うわ、便利この盾」
イサミは盾を見て呟いた。
「面白い、面白いぞ勇者イサミよ!もっとくるがいい!」
フランデンは思わない苦戦に興奮する。
「じゃ、お言葉に甘えて。サークルラッシュスピアー!」
イサミはサーベルに纏わせた光で円を描くとその円を連続で突いた。
「ぐ、あぁぁぁぁぁ!!」
円となった光が大量に粒となりフランデンを遠くから襲う。
プシュプシュとフランデンの身体がところどころ焦げる。
「ぬぅ…………」
フランデンはかなりのダメージのため本気を出そうと悩ましくなる。
「引きなさい。これ以上は、死ぬわよ」
突如彼にパンドラドの声が響いた。
「恐ろしいな…………、承知」
フランデンは不承不承だが気を沈めてから立ち上がる。
「今日は預ける!」
フランデンはすぐさまワイバーンを呼び逃走した。
「今度は逃げた…………」
イサミは首を傾げる。前回と違い余裕のない去り方だ。逃げたとしか言いようがない。
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