第37話 トロピカンランドへ行くpart6
「もう!すっごい心配したんだよ?愛花!」
俺たちは伸びたラーメンを食べていた。
俺たちがいない間に勝手にアンパンウーマンのショーに行っていった。
そのことを、未来はまだ怒っているみたいだ。
「ごめんなさぁい……」
「本当に反省してるの?」
「はんせいしてるぅ……」
愛花ちゃんはうつむいた。
この席に帰ってきてから、
「まあまあ、愛花ちゃんも反省しているみたいだし」
「パパは愛花を甘やしすぎ!」
未来はラーメンの箸をぴしっ!と俺に向けた。
「まだこれから遊ぶんだからさ。さっきのことは忘れようぜ」
「そんなの無理!もう死ぬほど心配したんだから!」
「……ほら、かき氷でも食べよう。甘くておいしいから」
「かき氷なんかで、誤魔化せれないからね!」
ぷいっ!と、未来は顔をそむけた。
「愛花はかき氷食べたい!」
「ほら、まだ反省してないじゃない!」
「反省してるもん!」
「嘘ね」
……また姉妹喧嘩が始まりそうだ。
しかも、かなり激しそうなやつ。
早くかき氷を買ってこないと。
まあ……かき氷で喧嘩が収まればいいけど。
◇◇◇
「このかき氷、おいしいね!」
「うん!すっごくおいちぃ!」
トロピカンランド名物の「さいきょうのいちごみるく」を買ってきた。
甘女王というブランド完熟苺をたっぷり使ったかき氷だ。
ジューシーな苺とさらさらした雪のような氷が混ざりあって、口の中でとろける。
ただ……値段はお高い。ひとつ1500円もする。
3人分で4500円。
未来と愛花ちゃんの機嫌を直すためだが、少々痛い出費だぜ……
「この後、どこに行こっか」
「えーとね、次はあれ乗りたい!」
愛花ちゃんが地図を指さした。
その先にあったのは――ティーカップだ。
「えー!ご飯食べたばっかりだよ?」
未来がお腹を抑えてながら言った。
「愛花、絶対乗りたい!」
「他の乗ってからにしない?」
「だって……昔、パパと乗ったんだもん。これだけは乗りたいもん!」
愛花ちゃんにとって、思い出の乗り物みたいだ。
本当のパパとの、大切な思い出か……
「……そうだね。じゃあ、乗ろっか!」
嫌がっていた未来も、笑顔になる。
「パパ、いっぱい回してね!」
「そんなことしたらラーメン戻しちゃうでしょ……ゆっくりでお願い」
「えー!愛花は速いほうがいい!」
「もお……でも、あたしも速いほうがいいかも。パパが一生懸命回してくれてたし」
きゃははと、未来と愛花ちゃんは笑い合った。
よし!カップを全集中で回すぞ!
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