第27話 お買い物デートpart2
「どう?かわいい?」
試着室から出てきた未来が、俺の前でスカートを見せてくれる。
くるっと、一回して、ふわりと花柄のスカートが舞った。
「うん。かわいいよ。未来」
「本当?すっごく嬉しい!これ買うね!」
「他のは見なくていいのか?」
「いいの!ケータがかわいいって言ってくれたから、これにする!」
屈託なく笑う未来を見て、俺も嬉しくなった。
はしゃぐ姿は、愛花ちゃんそっくりだ。
「とってもお似合いですよ!」
店員のお姉さんが話しかけてきた。
「これ、買います!」
「ありがとうございます!彼氏さんカッコいいですね」
「ふへぇ?か、彼氏?ケータが?」
未来は驚いて、ピキっと固まった。
「え、彼氏さんじゃ……」
「あ、えーと……」
しっかり者の未来が、しどろもどろになっている。
「包つんじゃいますね!お買い上げ、ありがとうございます!」
店員のお姉さんが察してくれたようだ。
俺たちは他人から見れば、彼氏彼女に見えるんだろう。
周りは俺たちをそう見るんだけど、俺たちの気持ちはまだ……追いついていない気がした。
「ケータ。待たせてごめんね。次のお店行こ!」
◇◇◇
俺たちは水着の売り場に来た。
「ふふふ。ケータにあたしの水着、選んでもらうぞー!」
未来は妙に嬉しそうだ。
ルンルンとスキップまでしている。
「女性用の水着、詳しくないからなあ……」
「逃げるつもり?もしかして、恥ずかしいの?」
「そんなことねえよ」
図星だ。
正直、未来の水着を選ぶのは、ドキドキしてしまう。
「ケータ。えっちなこと考えてるんでしょ?」
クスクスと、悪戯ぽっく未来は笑った。
なんだか、小悪魔に弄ばれてるようだ。
「……えっちなこと考えてるのは未来だろ?」
「へ?あたしがえっち……?」
ぼうっと、未来は顔を赤くした。
未来は自分が攻められるのに弱い。
ゲームで言う紙耐久と言うべきか。
「……水着、早く選ばそうぜ」
「へ、あ、うん……」
明らかに動揺している未来。
「どれがいいの?」
「えーとね……」
俺は未来に連れられて、水着売り場を歩く。
未来は俺のシャツの裾を掴んでいた。
「なんで掴んでるの?」
「ケータが逃げないため」
「逃げねえよ……」
「なーんか、逃げそうだから」
心臓がバクバクしてるのは確かだ。
もしビキニとか選んだらどうしよう……
「あ!ケータ。これはどう?」
白いビキニの水着だ。
しかも、すげえセクシーだ。
これじゃ、未来のおっぱいが見えて——
「かわいい?」
未来が上目遣いで聞いてくる。
うーん……なんと言うべきか。
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