第3話

個室からでると知らない人が奇異と憐れみの目で見てきた。

そりゃ、こんなとこで目を真っ赤にしてでてきたんだから仕方ない。

顔を洗ってからでる。

ちょうど一連が終わったみたいで外が騒がしい。

「もしかして、____さんですか?大丈夫ですか?体調悪そうでしたが?」

新郎が話しかけてくる。

「あ、はい。大丈夫です。」

返事を何とかできた俺自身に驚く。

「___の友人から聞きました。同じ高校のだそうで」

そりゃそうだよな。

「あ、____さん。この後二次会みたいなのあるんですよね。いらっしゃいますか?」

後から来た新婦に優しい眼差しを向けてまた____の学生時代のこと良ければ聞かせてくださいとその気のないハリボテを設置してどこかへ行く。忙しいのだろう。

「他人事だね。」

いいえそんなと適当にいなされる。

「いらっしゃいますか?」

「行くと思う?」

「来たいの?」

「なわけ」

笑えなかった。

「だよね。私、結婚したから。」

結婚したから、なんなんだろうか。もうここで終わりだね、ということなんだろうか。

「おめでとう、幸せになってね。」

幸せの「し」くらいで去ってしまった。

忙しいのではなく嫌なのだろう。

結局俺は最後まで元彼としてしか振る舞えなかった。

「ごめんね。」

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