【簡単紹介】女神が『かぐや姫』なんて! ~ダイジェスト版~

弥生ちえ

第1章 婚約破棄編

【あらすじ】


「アイリーシャ、私たちの婚約を破棄しよう。私は真実の愛を見つけたのだ!」


 王立貴族学園の卒業祝賀夜会の場。突如としてヴェンツ伯爵家嫡男メルセンツが、ラシン伯爵家長女のアイリーシャに高らかに宣言した。しかしその場に運命の相手である男爵令嬢セレネ・バンブリアは居なかった。


「せめて最期のひと時、私の眼を愉しませてください」


 ただの商会活動を格上の伯爵令息に勘違いされ、その婚約者が雇った暗殺者オルフェンズに命を狙われてしまったのだ。華やかな夜会会場から連れ出されたセレネは暗殺者により湖に沈められようとしていた!


 騒動から無事帰宅できたセレネだったが、妙な土産が付いてしまった。高位貴族に違いないけど身分を明かさないハディスが護衛に就くことになってしまったのだ。そして、暗殺者であるオルフェンズまでもがセレネに並々ならぬ興味を持って護衛の座に収まってしまう。



 学園に復帰したセレネを待っていたのは薄黄色い魔力を纏ったアイテムと、それを売り出した占術館の流行。婚約破棄騒動を巻き起こしたメルセンツとアイリーシャも、件の占術館へ通っていたことが判明する。


 バンブリア商会を営む家族も薄黄色い魔力について警戒を強める中、その正体を確認しようとしたセレネは、占術館へ潜入し、そこで取り扱われる怪しげなアイテムと、人への悪影響を確認。自身にも危害が及びそうになったところで、止むを得ず占術館側と敵対行動をすることになる。


 占術館の背景には、王都中央神殿の大禰宜ムルキャンが付いていた。ムルキャンは資金調達の為に「かぐや姫」の神器である「仏の御石の鉢」の継承者であり、神殿のトップである大神殿主ミワロマイレの黄色い魔力を利用し、利益を生み出していたのだ。神殿経営に非協力的で無気力なミワロマイレに憤りを感じての行動であったが、被害者も出ており、王都警邏隊とともにセレネは占術館を壊滅に追い込んだ。



 占術館壊滅によって、黄色い魔力のアイテムによる思考への影響下から人々が抜け出してゆく中、メルセンツやアイリーシャも正気を取り戻す。けれど、婚約破棄騒動が記憶から消えるわけでもなく、心に影を残しつつも気持ちの離れ切ってはいない2人。セレネはその背中を押し、メルセンツとアイリーシャは、新たな関係構築のためにともに歩き出すのだった。



本編はこちら

https://kakuyomu.jp/works/16816927860663382828




【登場人物】


第1章の登場人物まとめです。



■セレネ・バンブリア(主人公)■

15歳(4年生)、桜色の髪、黙っていれば妖精の様な儚く可憐な乙女。

前世の記憶があり、記憶と知識をもとにバンブリア商会発展を望む。魔力を纏って出来る事をイメージ&実践した結果、そこいらの騎士には劣らない体術を持つことになっている。



■ヘリオス・バンブリア(弟)■

14歳(3年生)、珊瑚色の髪、瑪瑙色の瞳。幼い頃はセレネと瓜二つだったが、成長期を迎えて可愛い系ではあるものの少年らしい容姿になっている。

バンブリア商会が誇る技術担当。姉と共に行動することで鍛えられた魔力の制御は大したものだが、共にいるのが規格外の姉なので、それはあまり分かっていない。



■テラス・バンブリア(父)■

バンブリア男爵その人。代々続く竹細工の商いを家業としていたが、セレネが生まれ、その才能に気付くや、教育に力を入れ、順調に業績を伸ばして男爵位を得る。外回り&交渉担当。



■オウナ・バンブリア(母)■

赤みの強いマリーゴールド色の髪に紺のスーツを颯爽と着こなすキャリアウーマン。

バンブリア商会の商会長(経理、人事などデスク担当)。



■ハディス(自称護衛)■

赤髪、黒に近い深紅の瞳、垂れ目。肩までの髪。

しがない貴族の三男坊と自称。王家の紋章である「有翼の獅子」をあしらった衣服を纏ったり、王の御璽付きの書類を得ることの出来る人。



■オルフェンズ(暗殺者、吟遊詩人、護衛)■

腰までの銀髪(奇麗なのでセレネに女装させられてしまうことも‥‥)、アイスブルーの瞳。

セレネに出会うまでは、気に入った者の生命を奪うことで充足感、高揚感を得てきた困った男。


■ミワロマイレ・アッキーノ(大神殿主)■

神職最高位の純白のローブに、肩甲骨までの鮮やかな黄髪をふわりと揺らす長身の美丈夫。

幼い頃は魔力が溢れて体調を崩してたが、大神殿の『仏の御石の鉢』の側にあることにより健康を保っている。継承者ではあるが、やる気は無し。執着・持久力を司る黄色い魔力を持つ。



■ギリム・マイアロフ(神殿司)■

セレネの同級生。神殿では、魔力視と視力両方の確保のため片眼鏡モノクルスタイル。オリーブ色のショートカットの髪に鬱金うこん色の瞳。前大神殿主の息子。

魔力を操る力は群を抜いているが、彼自身に色を持った魔力は無い。



■バネッタ・ニスィアン(伯爵令嬢)■

セレネの同級生。友人になれた!とセレネは信じている。教室で最高位の爵位を持つ。利用できるものは利用するが、認めないものには心を開かない。



■スバル・エクリプス(騎士爵)■

セレネの同級生で親友。一括りにした長いはしばみ色の髪。自身が剣をふるって武功を立て、騎士爵を得ている。



■メルセンツ・ヴェンツ■

セレネの1歳上。肩口までの淡い金髪。ヴェンツ伯爵家嫡男。母クーペルノ(フィデリア・フォーレン侯爵夫人と仲良し)。



■アイリーシャ・ラシン■

セレネの1歳上。ラシン伯爵家長女。黒髪。兄フィガリオ。



■ムルキャン(大禰宜)■

グレーの髪のテラス程の年齢かと思われる男。自身は大した魔力は持たないが、ミワロマイレの有り余る魔力を利用、操作していた。自己顕示欲は高いが、中間管理職であり、鬱屈した感情が溜まっていた。

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