第1話 元勇者、チート能力はそのままだった
元の世界に戻ってきた俺が目を開けると学校の屋上だった。
(何か、懐かしいなって感じるのは体感的に3年ぐらい経ってるからか)
とっても懐かしいと同時に忌まわしい記憶も蘇ってきたが。
(そういえば、俺にとっては3年前だがこっちの世界ではついさっきだな、あいつに別れを切り出されたのは。)
相川香奈美、俺の幼馴染でありクラスメイトだ、中学校卒業前あたりから付き合いだした。だが、突然別れを切り出された。理由を聞いたら同じクラスの柔道部の二年生主将に告白されOKしたらしい。それでも俺達の関係は別段悪くは無かった。寧ろ、途轍もなく良好な関係だったはずだ。
「ははっ、そう思っていたのは俺だけであって、あいつにとってはそうでなかったって事か、てっ納得できるか‼︎!」 ドゴン!
怒りのあまり屋上の床を殴りつけたら、コンクリートで出来てるはずの床にヒビが入った。
「えっ、何で、まさかと思うがとにかく「ステータスオープン」」
そう言って自分のステータスを確認してみる。
「東城アルト LV485(上限無し)
職業 勇者
称号 救世の英雄 希望の光 闇を切り裂 く者 殲滅者 聖剣の担い手 魔を穿つ者
筋力17000
体力21000
防御力15000
俊敏力15000
魔力10000
魔防力12000
スキル
剣術(エージル流 始原流) 縮地 気配感知 気配遮断 神速 空歩 見切り 弱点看破 全状態異常耐性 全属性魔法(火 水 土 風 氷 雷 光 闇) 聖天魔法 始原魔法 終末魔法 古代魔法 龍魔法 龍闘気 魔闘気 金剛神力 闘気剣 魔力障壁 魔力鎧装 絶対防御 剣神 武神 盾神 高速魔力回復 身体強化 獲得経験値増加 無限収納 威圧 鑑定 全言語理解etc....(以下略) 」
改めて見た自身の勇者として得た馬鹿みたい高いステータスに能力やスキルは戻ってきても尚、健在だった。俺は最早何も言えなかった。
「.........帰るか」
俺は考えるのを放棄した。それから急いで勇者装備は無限収納にしまい、入れてあった制服に着替え、俺は帰路に着いた。
「ただいま」
「お帰り、アルト」
「お帰りなさい」
「ああただいま、母さん、姉さん」
帰って来た俺を迎え入れてくれたのは俺の母さん、東城愛(とうじょうあい)と姉さんの東城遥(とうじょうはるか)だ。母さんは30歳とは思えないくらい若々しい見た目、というより見た目が完全に中2ぐらいにしか見えない身長の低さだ。今や俺と姉さんの方が身長が上だ。姉さんは20歳、近くの大学に通っていて経営学部らしい、将来は自分で会社を立ち上げて、自分の自作のアクセサリーなどを売るとか言っていた。実際、姉さんは手先が器用で手作りアクセサリーを作ってる。因みに父さんは2年ほど前に亡くなった、酔っ払い運転にはねられ即死だった。だけど、父さんは大企業の社長を務めていた為家の家計が苦しくなる事はなかった。因みに今は母さんが後任として付いている。
そうして懐かしい家族との再会を果たして夕食を食べ終え、自室に戻った俺は自分のステータスを思い出した。
「この力があればこっちの世界でも無双できるかもしれない、なら隠さずに充分に発揮させてもらうとするか。」
そして俺はそのまま眠りについた。
一方その頃の異世界では、
「ようやく、準備は整ったな。みんな、忘れ物は無いな」
「必要になる物はあらかた持って来た」
「いや、イーナ、貴方のバックパックがパンパンじゃない、必要最低限しなさいって言ったじゃない」
「これが私の必要最低限だから」
「もう、突っ込む気も失せたわ」
「私は私物の方はさほどなかったので早く終わりましたが」
アルトが去った魔法陣がある場所にカルナ、イーナ、リーファ、エリーゼのアルトのパーティメンバーがそれぞれ荷物を持って集まっていた。
「時間が惜しい、魔法陣の起動を頼む、イーナ、リーファ、エリーゼ」
「了解」
「分かったわ」
「お任せください」
パーティ内ではアルトの次くらいに魔力の高い三人の魔力が魔法陣に注ぎ込まれ魔法陣が光出した。
「待っていてくれ、勇者殿」とカルナが呟くと同時に四人は魔法陣の上から姿を消した。
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