3日目と4日目

3日目

上司に送るメールを間違えて取引先に送ってしまった。こんなミスは新人以来だ。

地元の友達から同窓会の知らせが届いた。

久しぶりに会いたい。が、時間がない。

朝のバスでは神田さんが下を向いてぼそぼそと独り言を言っていた。

首巻に話しかけていると見えなくもない。

前側はどんな構造になっているのだろうか。

今日は酒も控えて寝るとする。


4日目

ついに前側を見た。コートに隠れていて先端は見えない。

神田さんは熟睡していた。

間違いでなければ、尻尾が見えた。

首巻から。

さっきからこのフレーズを書くたびにけしてを繰り返している。

ふさふさした茶色の紐のような。あれはしっぽだろう。

帰りにカット野菜と唐揚げと油揚げを買った。

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