虹の輪の下で

ツカモト

序章

 公園の蛇口を捻って水を流した時に見えた虹。

水やりのホースの先から流線型を描いて出た水の先に見えた虹。

学校のプールの授業中にみんなで浴びたシャワーの向こう側に見えた虹。

 僕たちは知らず知らずのうちに、虹をよく見かけている。虹を見て嫌な気持ちになる人は少ないんじゃないだろうか。七つの色を持つ虹は、誰の心にも等しく光を与え、心踊らされるものであった。

 おそらく虹の中でも一番綺麗なのは、夏の雨上がりの虹ではないだろうか。

輝く太陽と高い空。そしてそこにかかったそれは、まさに天使が渡るアーチ橋のようである。

雨によってできた虹より綺麗なものは無い。そう僕は思っている。

 だから今こうして「虹」という一つの自然現象とそれにどこまでも付き纏う、思い出について描こうと思い僕はペンを握った。










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