か行 か〜き 〆
『か』
絵画(painting)
平らな表面を雨風から保護する一方、同じその表面を批評家の目にさらす技術。
改革(reform)
ある運動の宣伝に使われるスライド・ショー。目的を果たすとすぐに捨てられる。
懐古(reminiscence)
不仕合わせな人々に許された最高の贅沢。
悔悟(repentance)
懲罰に忠実に付き添い、かつそれに従う者。通常、ある程度の改心となって表われるが、その程度は、その後二度と再び罪を犯さないという保障はない。
会話(conversation)
二流以下の連中が、お互いに自分の頭脳の中身を陳列し合う共進会。ただし、誰も彼も自分の商品を並べ立てるのに忙しく、隣人が並べてみせる商品を眺める余裕など、全然ないのが普通。
外交(diplomacy)
祖国のために偽りを言う愛国的な技術。
海賊(CORSAIR)
海の政治屋。
会社(corporation)
個々の人々が、責任を伴わないで、それぞれ自己の利益をあげ得るように工夫された巧みな仕掛け。
回想(recollet)
さまざなことを付け加えながら、以前には知らなかったことを思い出す。
回転式連発拳銃(revolver)
かりそめの狂人が取り用いる議論。
解放(emancipation)
奴隷が他の者による暴虐から自分自身による圧制へと、その境涯を変えること。
快楽(pleasyre)
同じ憂鬱の中でも、忌々しさの最も少ない種類のもの。
会話(conversation)
お互いに自分の頭脳の中身を陳列しあう共進会。ただし、誰も自分の商品を並べるのに忙しく、相手が並べてみせる商品を眺める余裕など、全然ないのが普通。
鏡(looking-glass)
人間が迷いから目を覚ますようにと、その上で何かあるつかの間の芝居が演じられるガラス板。
格言(saw)
民間で行われている陳腐な言い習わし、諺。
学識(learning)
学問に勤勉な者の特色である一種の無知。⇒博識
革命(revolution)
政治において、政治形態ならぬ失政形態が急激に変化すること。通常、大量の流血を伴うが、それだけの価値は十分にあるとされている。ただし、そのような評価を下すのは、自らの血を流す不運に出会うことなく、利益だけを享受することになった連中に限られている。
賭け事(gambling)
ある程度は自分が利益を得ていることを意識するが、大部分は他人が損をしているさまを眺めることから楽しみが得られる遊戯。
陰口(backbiting)
対象に見られる危険の無い時、彼についてありのままを話すこと。
過去(past)
永遠の一部分ではあるものの、われわれはそのごくわずかな部分を知っているに過ぎず、しかも知っていることを後悔せざるを得ない。
ガス計量器(gas-meter)
知らん顔で鎮座している、一家の嘘つき。
火葬(cremation)
冷たくなった人間を暖め直す操作。
家族(family)
一つの書体の中で暮らしている個体の一集団で、男性、女性、子供、老人、犬、猫、ゴキブリ、ノミから構成される。
活字(type)
他に類のないすぐれた本辞典では、明らかに大きな働きをしているにもかかわらず、文明を破壊へと導いていく疑いがあると見られている有害な金属片。
家庭(home)
最後の頼みの綱として訪れる場所。
我慢強さ(LONGANIMITY)
復讐のプランを温めている間、柔和な自制の念をもって侮辱に耐える素質。
神の怒り(WRATH)
質・量ともに優れた怒り。
金持ち(rich)
怠け者、浪費家、運の悪い者の財産を保管し、その用途を明細に報告する義務のある者。
火薬(gunpowder)
文明国家が、放置しておくと厄介なことになりかねない言論の沈静化にもちいる手段。
過労(overwork)
身分の高い役人が、魚釣りに行きたいと思う時にかかりやすい危険な病気。
歓迎会(reception)
花火と、旗と、たわいない談話。
感謝の念(gratitude)
すでに受けた恩恵と、これから期待する恩恵との中間に位置する感情。
関税(tariff)
国内の消費者の貪欲から同国の生産者を保護する税。
完全(perfection)
卓越という名で知られる要素によって現実とは区別される想像上の状態。もしくは性質。
鑑定家(connoisseur)
ある特別なことについては、何一つ知らないことはないが、それ以外のことについては、何一つ知らない専門家。
感動(emotion)
心臓の血が脳へ上がることが原因で起こる、肉体を消耗させる病気。
頑張り(perseverance)
平凡な人が、それによって不名誉な成功をかち得る、とるに足らぬ美徳。
『き』
気鬱(gloom)
ワイドショー、お笑い番組、天国への望み、および悪魔の辞典に帰因する精神状態。
機会(opportuniyt)
失望を鷲づかみにする好機。
祈願(pray)
つまらない存在と自ら認めているたった一人の嘆願者のために、宇宙の全法則が廃棄されることを願うこと。
奇行(eccentricity)
安上がりな自己顕示手段。バカはこれを用いることで自らの無能ぶりをさらけだす。
キス(kiss)
意思の疎通ということに関係のあるある種の儀式ないし祭典を意味すると考えられている。ただし、その儀式なり祭典なりをどのように執り行うかは、本辞典の編者は不案内である。
偽善者(hypocrite)
自分ではそんなものは少しも尊重していないくせに、いくつかの美徳を身につけていると称して、自分が軽蔑している者らしくみせかけるという虫のいい条件を確保すね者。
貴族(nobleman)
社会席名声という厄介な代物を一身に引き受け、かつ上流の生活をも享受しようというほど野心に燃えた金持ちの娘たちのために自然が用意してくれているもの。
貴族政治(aristocracy)
第一級の人々による政治。
機知(wit)
自分のせっかくの知的な料理法を台なしにしてしまう塩。
記念碑(monument)
記念する必要がないか、あるいは、記念することが不可能なものを、あえて記念しようとする意図から建てられる工作物。
昨日(yesterday)
青春の幼年時代、成年の青春時代、老年の過去のすべて。
気晴らし(receation)
全体的な疲労を癒す特定の種類の憂鬱。⇒娯楽
詭弁(SOPHISTRY)
敵対者の論戦術。不誠実さや愚弄の巧さで優れているあたりで当人の論戦術と一線を画す。
希望(hpe)
欲望と期待を丸めて一つにしたもの。
欺瞞(fraud)
商業の生命、宗教の精髄、求愛の際の餌、政治的勢力の基礎。
義務(duty)
欲望の線に沿って、利益の方向へと、われわれを厳しく駆り立てるもの。
求愛(courtship)
愛に飢えた酒好きな二人の者が、二人ともわけもなく飲み干すことはできても、どちらも元通り一杯にすることができない一つのグラスから、おずおずとすすること。
急進主義(radiclism)
今日の諸問題に注入した明日の日の保守主義。
休戦(truce)
友情。
窮地(predicament)
言行一致が受ける報い。
キューピッド(Cupid)
恋愛の神と称せられるが、この、野蛮な空想力が生み出した私生児は、疑いもなく神々が犯した罪の代償として、神話が背負い込まねばならなくなった厄介者であるほかない。
教育(education)
それぞれが理解力に欠けていることを、賢者に対してはこれを隠して見せないようにするもの。
教会(church)
牧師が神を崇め、女が牧師を崇める場所。
狂気(madness)
高度の知的独立心という病気。
競売人(auctiioneer)
あなたのポケットの中を、全部頂戴いたしましたと、木槌を使って公に知らせる人。
共犯者(accomplice)
他の一人の者とともに犯罪に関係した結果、犯罪の行われたことを知り、かつ共謀関係を免れ得ぬ者。
享楽主義者(epcure)
快楽こそ人間の主要な目的なりとし、五官の満足には片時も時間を浪費せず節制を旨とした哲学者に敵対する者。
教理問答(catechism)
普遍的で、かつ永遠の疑問が、局部的で、かつその場限りの答えでもって解決されるという、神学上のなぞなぞの一様式。
共和国(republic)
統治するものと統治されるものとが同一であることから、権限を認められていても、任意の服従を強制するしかない国家。
局外者(outsider)
自分自身にはできないことや、なれないものに、口やかましく難癖をつけたがる者。
拒絶(refsal)
心から望んでいるものを断ること。
議論(discussion)
他の人々の思い違いをますます強固なものにしてやる方法。
金言(adage)
歯の弱い者でも噛めるようにと、骨が抜き取ってある人生の知恵。
金権政治(pltocracy)
共和政体の一種で、その権力は、統治されている者の自惚れ、つまり、自分たちが統治しているのだと、考えるところから生ずる。
銀行預金(deposit)
銀行を支えていくために行われる慈善の寄付。
金銭(money)
これを手放す場合を別にすれば、いくら持っていても、何の利益ももたらさないという結構な代物。 教養の印、また、社交界への入場券。持っていても苦にならない財産。
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