さんたさんのやみのてがみ

DITinoue(上楽竜文)

くりすますのよみきかせ

「今日も絵本よむ!」

 四歳の子供はヒーロー戦隊のパジャマで母の元へ飛びついてきた。

「はいはい、分かってる。おなかの赤ちゃんが泣いちゃうから、暴れないでね」

「はぁい」

「それじゃあ、今日の絵本はね、『さんたさんのひみつ』だって。今日はクリスマスだね。早く読んで、早く寝てよ。でないとサンタさん来ないよ」

「分かってるぅ。早く早く」

 お腹の膨らんだ母の上で、子供は足をバタバタさせた。

「分かったって。じゃ、読むよ。『さんたさんのひみつ。きょうはくりすますいぶ。はやとくんはげーむをたのしみにまっていました』」

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