コンテンツと消費
ピチャ
コンテンツと消費
会社が休みの日にすることは、これかこれかこれ――そんな感じで決めていると、選択肢すべてにやる気が起こらないとき、どうしようもなくなる。ただ時間を経過させるための何かに取り組むしかない。
例えば寝ること、食べること、トイレに行くこと・・・。頻繁にこれを行って、とりあえず満足する。
あるいはインターネットを見に行って、そこの発言に誘導される。その誰ともわからぬ発言に対して自分の意見を発信してみる。企画されたデモに参加してみる。これは受動的な時間の過ごし方だ。誰かが作ったコンテンツに、便乗してみている。
それも重要なことである。自分を満足させることは大事なことだ。
だが同時に、誰かが仕事を作り出さないと、人は仕事をなくしてしまう。放っておいたら、コンテンツは潰れていくばかりなのだから。潰れるのと同じだけのものを、日々生み出さないといけない。それこそ大変なことである。
では何を生み出すか。
発明もそうだが、生み出すことは一朝一夕にはいかない。そこには数多くの、地道に試行錯誤しながら練り上げられた名もなき何か、が積み重なっている。その頂点がある線――これは人の視線である――を超えたときに、世界に映る。山の裏山は人には見えない。隣の山を超えたときに、初めて人に認識される。積み上げるものは何でもいい。ガラクタのほうが多いかもしれない。それでもたまに宝が出たり、出なかったり・・・そういうことを繰り返しながら、あるとき日の目を見る。
下らなくても、失敗作でもいい。生み出し続けることが重要なのである。そしてそれを軽んじないこと。人の生み出したものも積極的に拾うこと。こうしているうちに、他人の物も取り入れた、質の高い山になる。
世の中には意味のないものがたくさんある。だが、それも含めてこの世なのだ。意味のないものを切り捨てていては、それこそコンテンツの少ない、つまらない世界になるだろう。
溢れるくらいの情報があっていいのだ。すべて取りおおせないから、ある程度食べて満たされることができる。飢えているのと満たされるのでは景色が違う。飢えることも、満たされることも選び取れることが重要だ。
我々はコンテンツを生み出し、そして消費する。どちらも必要である。
あるときは、隣の山を喰らってでも自分の山を素敵に飾ることのほうが重要である。またあるときは、自分の山から取り出して隣の山に埋め込むことが重要である。そうして山は大きく荘厳に育つ。その過程で小さなコンテンツがたくさん生まれる。
生め、育てよ。満足に消費できるものを。
コンテンツと消費 ピチャ @yuhanagiya
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