第2話
-2022年秋-
私は高校一年生になった。
小学校を卒業して4年。女子校に入り、彼氏どころか好きな人もできないまま月日が過ぎた。そして今年のクリスマスこそ彼氏と過ごそうと、今、文化祭に来ている。
「とりあえずタイプだと思ったら声かけてみよう。イケメンな男は自分からは話しかけてこない。」
喩菜がいう。中学に入ってできた友達で可愛くて女の子らしい子。
「わかった。でも誰にも声かけられなかったら落ち込む…」
「だーいじょうぶ!1人ぐらいいるでしょ、私たち可愛いし!」
「だといいけど。」
少し呆れた感じで返事をすると、喩菜は私の腕を引っ張って学校を回り始めた。
「あんまタイプの人いないな〜、円佳は?」
「え?あータイプの人ね、、、」
中2の時、円佳ちゃんのタイプはと聞かれ「男っぽくしてるのに可愛がられる…みたいな?」と言った。そしたら「え、年下とか?円佳ちゃんロリコンなの!」と鼻で笑われ、それ以来友達とタイプの人を話す時はそれっぽく誤魔化していた。
「あんまタイプとかない。強いていうなら可愛い人?とかかな」
「えーそうなの!タイプ初めて聞いた。円佳も可愛いのにほのぼのカップルになっちゃうね。」
喩菜はこうやっていつも褒めてくれる。沢山の人から信頼されるのも納得だ。
でもそんな喩菜にも言えていない。
今でも引っかかっている初恋のこと。
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