第15話 ゴーレムの作り方(ちょいグロ注意、読まなくても問題ありません)
「ところでここではゴーレムはどうやって作ってるの? 基本は土だよね? さっき聞いた魔核ってのが大事なのかな?」
土でできているのはカリョから聞いていた。でもただの土が魔力で動くとは思えない。何か別なキモになるものがあると思っていたけどそれが魔核なんだと思う。
「ん、基本は土だ。間違いではない。黒土と粘土にガラスを細かく砕いたものを混ぜて体を作るが芯になるのは鉄の骨だ。鉄の棒を人の骨に見立てて中に入れる。いろんな長さの鉄の棒を人の骨のように中に入れるんだが人間と同じでなくて大丈夫だ。人間の骨とそっくりに作れたらそれが一番いいと思うが簡略しても動く。どこまで人と同じにするか簡略するかはノウハウがあるんだよ。そして肝心なのが魔核。その魔核の作り方は一般的だから教えてやってもいいが……」
デルガルがそう言いながらカリョとマーツェをチラッと見る。
「女の子がいるところではちょっとな」
デルガルは言葉を濁すと兄弟は眉間にシワを寄せて顔を見合わす。エロ系か? グロ系か? 気になるよー。
聞くだけなら通訳はギャレットがするから大丈夫だし……
「カリョ、聞くだけなら通訳はいらないと言ってくれるかな? そして二人ともちょっと離れていてくれる? ごめんよ」
俺の両隣にいる姉妹にそれぞれ顔を向けてお願いしてみると二人とも”仕方ないね”って顔をし、カリョが『聞くだけなら通訳はいらないから』と言って二人で席を立った。
デルガルは離れていく姉妹を目で送ると、俺に視線を戻して話し始めた。
「まず片手で軽く握れるほどの量の赤土を太陽の光に当てしっかり乾燥させるんだ。そして呪文を唱え魔力を注ぎながら自分のJiiiをたっぷりしみこませて練る。それを羊の腸で作った小さな袋に入れ、漏れないように口を縛る。その袋を針で何度も刺して全体に細かな穴を開ける。協力者の女の魔法師が自分のJiiiにそれを入れてJiiiを迎えJiiiから流れ出た血がゆっくり染みこみそして硬くなる。七日後にJiiiから取り出したものがゴーレムの魔核となるんだ」
ところどころに未登録の単語がでてきたが”女の魔法師”と”流れ出た血”がヒントになった。
おそらくは”自分の精液をたっぷりしみこませ”、”女の魔法師が自分の膣にそれを入れて生理を迎え子宮から流れ出た血”、”膣から取り出したもの”、そんなところだろう。
俺は兄弟に理解したとうなずいて見せる。
んー、確かに女の子の前で話す内容じゃないな。
いやまてまて、そうすると自分で魔核を作らない限りゴーレムは動かせないってことか?
んー、気になるなー。
難しい顔を作ってデルガルに声をかける。
「質問があるんだけど……」
通じないのは分かっているが何か言いたいことがあると兄弟に知ってもらうためのジェスチャーだ。
兄弟は眉間に皺を寄せて顔を見合わせる。俺が何か言いたげなのを理解してくれたようだ。
「ギャレット、自分で魔核を作るしかゴーレムは動かせないのかってここの言葉でなんて言ったらいいんだ?」
「ナロラゲルロルトショカンズマトトラットゥールドッドダロン」
「んー、無理。覚えられない。短く区切りのいいところに分けて言って。それをそのまま俺が言うから」
「オッケ」
ギャレットと話すには兄弟から目をそらし、ぼそぼそと何やら独り言を言っているように見せるしかなかったが、やばいやつと思われなければいいんだけど。
「じゃぁいくね。ナロラゲ」
「ナロラゲ」
「ルロルトショカン」
「ルロルトショカン」
…………
…………
……
……
「うん、言いたいことは分かった。だが通訳がいなくてもいいように話す練習をしたほうがいいぞ」
デルガルの言葉にデルゾルもうなずく。
そりゃあできることなら話せるようになりたいが昨日この世界に来たばかりだし。
「で、結論から言えば、自分で魔核を作らなくてもゴーレムは動かせる。その方法だが、実の親が作った魔核なら子が使えると聞く。両親が共に魔法師で共同作業で作ったものならほぼ子が受け継ぐことができる。片親だけ血がつながっている場合は半々の確率だと聞いたな」
なるほど、作り方からすると受け継いだ子にとって魔核は兄弟のようなものかもしれない。そう思うとちょっと怖い。
地球にいたときは魔法とか心霊的なものは信じていなかったけど、地球の科学で解明されていないだけだったんだな。地球では当たり前に使っている電気もこっちの世界の人にしてみれば不思議な力に見えるだろうし。
知りたかったことを聞けて満足。お礼の言葉は一番最初に覚えたからギャレットに聞かなくても大丈夫。
「グーリクート」
デルガルが目じりを下げてうなずく。
俺は立ち上がって辺りを見回し、姉妹を探した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます