判断力の勝敗

『其れでは射的バトルを始めます。スタート

です!』


 始まった!集中…集中…!


 俺は次々と的を当てて行った。意外にも得

意なのか、淡々とこなして行った。ふとスー

イを見ると思いがけない光景を観た。

 何だあいつ?体を横になりながら片手でこ

なしている。俺は少し集中力が低下し、スー

イが気になっていた。あの余裕のある感じ、

俺は立ちながら両手でしっかり持ち、確実に

射的をしている。まるで大間違いと思った時

だ!複数の的が出てきた瞬間、スーイが立ち

はだかり物凄い勢いで叫びながらヒットさせ

ていた。俺は最初から肩の力が入っていた為

か体が強張るのを感じ、悪の的を1回…2回

と外してしまい。遂に…


 あっ……!!!


 善の的をヒットさせてしまった。くっそぉ

ー!


 …………。


 バトルは敗北になり、白い部屋に戻った。

俺は敗北した情けの無い…座り込んだままの

姿で…。


『お疲れ様でした。戻りますか?其れともリ

ベンジしますか?』


『……』


 俺はミヨが言っていた言葉が耳に入らなかっ

た。少しのぼせ上がっていたのだろう。初め

て射的バトルをして少しだけ出来ていた自分

に…。


『くっそぉ!くっそぉ!あいつが悪いんだ!

スーイの奴、あいつが挑発したからだ!汚い

真似しやがって!あいつが…!』


『おだまり!さっきから情けないね。自分の

反省ならまだしも、他人に自分の不甲斐なさ

を当たるな!』


『ミッミヨだれ?なの?さっきから?』


『叱りつけモードに変更しました。以前の様

な優しい感情が無くなっておりますのでご注

意下さい』


『こっ怖!少しは慰めてくれても…。そんな

に怒らなくても』


『甘ったれるな!第一に怒ると叱るは違うぞ

!そんな事も分からないで今まで生きて来た

のか?』


『へっ?さっきから強い言葉で俺を怒ってる

だろ?…』


『全く…やれやれ!いいか?怒るはその人の

怒り主張だ。叱るは人の為、その個人に気づ

いて欲しい、正してあげる優しさ…ですよ』


『あっ戻った!良かったー。やっぱりそっち

の方が良いや俺は!へへへっ』


『決して不甲斐なさを相手にぶつけてはなり

ません。自身に受け入れるのです。人間は知

能が発達している為、受け入れる事が苦手な

のです。此れから言う事は決して忘れないで

下さい。私はいつでも、どんな時でもあなた

の味方です。そして人生において必要な事、

どんな事があっても覚悟を決め受け入れる!

この事を信じ、忘れないで下さい』


『あっ…なんか、涙が出て来た。俺はあまり

というか、叱って貰った事がないかもしれな

いし、気づいていなかったかも知れない』


『これが飴と鞭!なぁーんて!ウフフッ!そ

れはさておき、個人に叱りで正しこれを示す。

これが人の為です。是非叱れ存在になって下

さい』


『ミヨの おっ・ねっ・がっ・い!』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る