第15話 待ち合わせとデート

 待ち合わせは、お互いよくわかる本宮のお店、そこから、少し歩いた所に本宮は、自家用車をパーキングに止めて、彼女を迎えに行く予定だ。


 都心部なので、駐車場の問題もあり、普段は、バイクを利用している本宮だが、車も持ってはいる。

 ガソリン代など考えると普段はバイクが楽なのだ。

 

 車といっても安い軽自動車、お世辞にもデートで乗ってきて、女性が心動く感じではない。

 前日に、車内を綺麗にはしているが、どうも垢抜けない、仕方ないとは思いつつ、本宮は、自宅からパーキングまで1人車を走らせていた。


 ズボンに入れてスマホから振動で何かの通知を知り、信号待ちで確認する。



 『早くつきそうなので、先に待ってますね。』

 

 彼女を待たさない為に早めに出たが、それよりも早く彼女は着きそうだ。

 信号はまだ、赤、ブレーキを踏みながら考える、10分ほどでつけるだろうか、否それよりも、待ちわせに直接車で行った方がいいかもしれないと、思い、返信する。


 『なら、直接車で待ち合わせ場所にいきます』


 打ち込みと同時に信号は、青になり、本宮は、アクセルを踏み込む。


 待ち合わせの場所には、少し長い髪を後ろにまとめ、茶色を基調としたコートを来た女性が立っていた。

 春だ。


 遠目でも、直ぐにわかった、本宮は車から手を振り合図する。


 春は小走りで、車に近より助手席に座る。


 本宮の緊張は一気に高くなるが、それを悟られないように、頑張り声をだす。


 「では、行きましょうか」


 少し上ずった声で二人のデートはスタートしたのだった。

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