B4 スロット Part2(ゲーム)

<攻撃側チーム>

プレイヤー:

采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力4800 威力3 累積負傷値:18

【糸詠】攻撃力3200 威力1 累積負傷値:13

手札1枚

【ウプシロン】攻撃力6500 威力6 累積負傷値:5

【シンセ】攻撃力3100 威力3 累積負傷値:8

【ヨー】攻撃力3100 威力1 累積負傷値:10


アイテム:

【スロット】

【昆虫の羽】


<防御側チーム>

プレイヤー:

【ワンド】

攻撃力1300 威力3 敗北値5

効果:???

(ずる賢い戦術が得意な魔女。

自分より賢明な者を嫌う)


アイテム:

【???】


**********


ワンドはペンを使い、紙に何かを書き込んでいる。


「これが私の使うアイテムさ…」


魔女は紙を折りたたんで封筒の中に入れ、服の中にしまった。


「(あの封筒、何かある…)」


TURN1

(ワンドのターン)


「私のターン…

だが、このターンは何もしない。

私じゃ、あんた達の攻撃力に敵わないからね」


TURN2

(糸詠のターン)


「俺のターン」


糸詠の手札にカードが1枚加わる。


糸詠の手札:2枚


「攻撃!」


【糸詠】攻撃力3200 威力1

     vs

【ワンド】攻撃力1300


ニヤリと笑うワンド。


【糸詠】攻撃力500


「え!? 何で!?」


「これが【封書】の効果。

この階では私の決めたルールに従ってもらうよ!」


「奴が決めたルールだと?…

まさか!

ゲーム開始前に何か書いていたのは…」


「そう、ルールを決めるためさ。

そしてこの階で適用されるルールは…」


魔女は封を切り、紙を取り出して見せる。


「"相手が自身のターンで攻撃した場合、攻撃力が元に戻る"ルール!」


【封書】

アイテム:文書

効果:この階において、以下に記載したルールを適用する。

(ゲーム前に記載する)

・相手が自身のターンで攻撃した場合、そのプレイヤーは攻撃力が初期値に戻る。


「自分でルールを追加できるだと!?

そんなもの、書いたもの勝ちではないか!」


「もちろん何でもいいってわけじゃない。

書き込むと塔が自動で判断し、公平でないと判断された場合、文字は消去される。

こうして私の書いた文字が刻まれている以上、ルール上何の問題もないということさ。

これでも随分と妥協してるんだから、文句ばかり言うんじゃないよ!」


「くっ…」


「さて、人間の子どもよ。

戦闘は続くぞ!」


【糸詠】攻撃力500 威力1

     vs

【ワンド】攻撃力1300


ワンドが杖を振ると、糸詠は飛ばされた。


「うわっ!」


「攻撃力はあんたの方が低い。

勝敗判定はあんたの敗北、私の勝利だけど、迎撃での敗北だからダメージは発生しない。

命拾いしたねぇ」


「た、ターン終了…」


TURN3

(ワンドのターン)


「私のターン!

このターン、私は攻撃を行う!」


魔女が杖を振る。


「う…」


ウプシロンが突然走り出した。


「ウプシロン! どうしたんだ!」


ペガサスは突き当たりで向きを変えると、糸詠の方へ向かう。


「まさか…」


シンセが慌てて立ち塞がる。


【ウプシロン】攻撃力6500 威力6

     vs

【シンセ】攻撃力3100


「うわっ!」


【シンセ】の累積負傷値:14(8+6)


「シンセ、すまない…」


ウプシロンがシンセに謝罪する。


「どうしたんだ?」


「これが私のプレイヤー効果!

自分が攻撃する場合、代わりに相手プレイヤーを使って攻撃できるんだよ!」


「俺達を戦わせるつもりか!」


「(味方同士で戦う苦しみを味わえ!)

ターン終了だよ!」


TURN4

(ウプシロンのターン)


「俺のターン…。

攻撃…」


「【封書】で追加したルールにより、自身のターンに攻撃したモンスターは攻撃力が戻る!」


【ウプシロン】攻撃力1500


「よし!

ウプシロンの攻撃力は元に戻っても、ワンドより上だ!」


【ウプシロン】攻撃力1500 威力6

     vs

【ワンド】攻撃力1300


「それで勝ったつもりかい?」


「!?」


ウプシロンが立ち止まる。


「どうした?」


ウプシロンの前には何人ものワンドがいた。


「お前達には分からないだろうが、こいつには今、何人もの私が見えているのさ。

私のもう一つの効果。

それは攻撃を受ける時、全てのプレイヤーからランダムに対象を選ばせる効果!」


【ワンド】

攻撃力1300 威力3 敗北値5

効果:TURN3以降。

自分が攻撃する場合、代わりに相手プレイヤーに攻撃をさせることができる。

自分が迎撃する場合、迎撃プレイヤーは、相手プレイヤーを含めた全てのプレイヤーからランダムに決定される。

(ずる賢い戦術が得意な魔女。

自分より賢明な者を嫌う)


「さぁ、本物を当ててごらん!」


ウプシロンは意を決して飛び込む。


「だめだウプシロン!

そいつは糸詠だ!」


再びシンセが飛び出す。


【ウプシロン】攻撃力1500 威力6

     vs

【シンセ】攻撃力3100


シンセがウプシロンを受け止める。


「ちっ!

余計なことを!」


「ありがとう、シンセ。

また守ってくれて」


「気にするな。

私の累積負傷値はまだ小さい。

庇って当然さ」


TURN5

(ワンドのターン)


「私のターン!

攻撃!

次は采漢紳シャッハ・ジェン、あんたが攻撃しな!

ターゲットはもちろん、小僧、お前だよ!」


采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力4800 威力3

     vs

【糸詠】攻撃力500


采漢紳シャッハ・ジェンが操られる。

ウプシロンが飛び出した。


采漢紳シャッハ・ジェン】攻撃力4800 威力3

     vs

【ウプシロン】攻撃力1500


「う…」


【ウプシロン】の累積負傷値:8(5+3)


「ウプシロン…」


「これ以上、みんなに迷惑はかけられない…」


「ターン終了!

攻撃しても防いでも仲間同士で傷つけ合う。

それでもお前達は最後まで戦えるかい?」


「戦えるさ!

私達はそんなことに屈しない!」


「ふん!

打つ手もないくせに、偉そうなことばかり言うんじゃないよ!」


「打つ手がないと誰が言った?」


「何?」


TURN6

(シンセのターン)


「私のターン!

ここで、私のプレイヤー効果を使う!

そして、攻撃!」


「なら、あんたの攻撃力も元に戻るよ!」


【シンセ】攻撃力3100


「何!?

なぜ!?」


「これが私の効果。

このターンのみ、私が指定した全てのユニットの影響を無視できる。

お前の【封書】が追加したルールを無視し、私の攻撃力は保たれる!」


【シンセ】

攻撃力900 威力3 敗北値30

効果:自分ターンで使用可能。

このターンのみ、このプレイヤーは指定した全てのユニットの影響を無視できる。

(周囲からの信頼が厚い剣士。

知識の幅が広い)


「馬鹿な!

それなら、私の効果で…

あ!」


「そうだ。

当然お前の効果も無視できる。

お前がどんな手を使おうとも、私には仲間とお前の姿がはっきりと見えている!」


【シンセ】攻撃力3100 威力3

     vs

【ワンド】攻撃力1300


「さらにアイテム【スロット】を使用!」


【スロット】

アイテム:サイコロ ver2.0

効果:5種類のリールから1種類を選び使用可能。

(各階で1回のみ)

赤色:攻撃力

青色:補助系

黒色:ダメージ系

黄色:戦闘系

白色:威力系


黄色のリールが回転する。


リールはやがて止まり、7の目が出た。


「7の目の効果により、この戦闘で発生するダメージを場のプレイヤー1人の威力と同じ数値にする!

私はウプシロンを選ぶ!」


「ウプシロンの威力は6!

ということは…」


「お前が受けるダメージも6になるということだ!」


シンセの剣が魔女を攻撃する。


「ぐわぁ!」


ワンドの累積負傷値:6(0+6)


攻撃側の勝利。

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