第12話012「高校生探索者のすごさ」
「はっ!?」
「お、戻ってきたか」
ぽかーんから意識が戻った我が親友・唐沢利樹。
「大丈夫か?」
「おーすまん、すまん。ちょっと涅槃に行ってたわ。てか、それよりもお前『高校生
「おう」
「マジかよ⋯⋯」
「やっぱ、高校生
「あっ?!(怒) たりめーだろ、こんちくしょうめっ!!」
「なぜ、怒る?」
「羨ましいんだよ! 俺だってできれば高校生
「やっぱ、唐沢も
「たりめーだろ! 男のロマンだろがいっ!!」
「そういうもんなのか」
「そういうもんだよ! あ〜あ、ちくしょう〜! いいな〜お前! でも、せっかく
「お、おう、ありがとう」
唐沢が素直に俺を励ましたことが何となくこそばゆい。⋯⋯と同時に、唐沢も
「ところでよ、ちょっと気になったんだけど、この『
唐沢は『
「あ、ああ。俺もよくわからないんだが⋯⋯」
と、ここで俺は一瞬迷った。唐沢に『
「唐沢、この『
俺は唐沢に今わかっていること全て話した。
だって、俺がもし逆だったら唐沢に話して欲しいと思うだろうから。
そして、全てを話すと、
「ぽかーん」
唐沢は、今度は「ぽかーん」を
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「はっ!?」
「おかえり。涅槃はどうだった?」
「やかましいわ! ていうか、マジで何なんだよ、それ?! 聞いたことないぞ、こんな能力!⋯⋯⋯⋯『見聞きしたものが全て記憶され、それを基に求めるものを具現化する』とか『一度身につけた魔法やスキルはそのまま自分のものになる』とか、まるでチートじゃねーか!?」
「あ、やっぱそう思う?」
「もちのろんっ!!」
唐沢も俺と同じようにこの『
「おい、ソラ。お前、この力使ってダンジョンに潜っているのか?」
「ああ」
「だったら、この『
「あ、ああ、わかった。『
「あと、ちょっと気になったんだが『魔力切れ』とかは大丈夫なのか?」
「魔力切れ? いや、今のところ特にないな。ていうか、何でそう思ったんだ?」
「いや、お前のこの『
「あーなるほど。でも、どうだろう? 特にそこまで疲れたなんて思ったことは⋯⋯一度もないかな〜?」
「へーそうなんだ。最初レベルが低いうちはすぐに『魔力切れ』を起こしがちだから、魔法やスキルを何度も使えない分、レベリングに苦戦すると聞いたことがあったんだけどな〜⋯⋯」
「へ〜、そうなんだ」
「まー今のところ問題なければいいが気をつけろよ? 魔力切れなんか起こしたら死ぬことはないが気絶くらいはすることだってあるんだからな! しかも、それがもしダンジョン内で起きたら魔物に見つかって
「なるほど。確かに⋯⋯」
たしかに今のところ魔力切れの経験はないが、唐沢の言う通り『魔力切れの危険性』は常に頭に入れておくようにしよう。意識することが大事だからな。
俺は唐沢の言葉を聞いて、ヒュッと背筋が寒くなったと同時にすごく勉強になった。
「それにしてもお前、やけに詳しいな?」
「たりめーだろ。俺だって『高校生
「そういや、唐沢は
「ああ、もちろんあるよ。ていうか俺以外の他の一年生も入学してすぐに
「マジか!」
知らなかった。初めて聞いた話だった。
あ、友達いなかったわ⋯⋯その頃の俺。
「でも、結局受かったのは『竜ヶ崎』ただ一人だけだったけどな」
「えっ? 一人だけっ!?」
「たりめーだろ! むしろ誰も受からないのが普通だっての! それくらい『高校生
と言って、唐沢はニッと笑いながら俺の背中をトンと軽く叩いた。
「だから、お前には頑張って欲しいんだよ!」
「! か、唐沢⋯⋯」
「頑張れ、大物
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