花車白蛇

霧這

また懐いてよ。どこ行っちゃったの。

あの日見た蛇は吉夢でも無く

スピリチュアルな意味でも無く

十年前飼って居ないが

たしかに友達だった

深雪の毛色に

愛らしいモモ色を

三角に覗かせる耳

花弁形のラインストーンが

桜を散りばめた首輪に

スキップする様に歩き鈴を奏でる


「蛇が飼いたい」なんて

よく言うもんだから

きっと慌てて蛇になったのかな

迎えに来てくれたのだと

知っていたら

「バイバイ」なんて言わなきゃ

こうして虚しい現実に

へばり着く必要なんて無かった


薄朽葉うすくちばに積もる

銀が重みでなだれている

惚色ぼけいろのなつかしさに

黙って眼を潤む師走に

選挙カーが耳を引っ張った

頭痛が気怠い一日のはじまり

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花車白蛇 霧這 @Sachi8hyA9sya7

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