第22話 合コン①

ーーーーーー


 某月某日。(ネコまっしぐランド定休日)

 午後六時四十五分。


 とある居酒屋二階の個室。

 猫実好和以下三名の男子学生が、長方形のテーブル片側に並び座す。


「やべえ!ガチでテンション上がってきたぁ!ネコ!マジでサンキューな!」

 二人の間に座る秋多が、一段と鼻息を荒くして隣の猫実好和に感謝する。


「あ、ああ...(...マジで実現しちゃったよ...)」

 猫実はやや困りながら返事した。


「おい秋多。あんまり調子にノッて女性陣に迷惑かけるなよ?ネコのバイト先の人達なんだしさ」

 柴井が戒めるように忠告する。


「なに常識人ぶってんだテメー!お前はほっといてもモテるからいーだろーが、俺は必死なんだ!このイケメンめ!」


「あ~も~わかったわかった」


「ヤバい......心配だ......」

 舞い上がる秋多を見てますます不安に陥る猫実好和。


 そして十五分後......。


 ガラッ


 個室の引き戸が開く。

「どーもー」

 ネコ娘、到着。


「えっ??」

 猫実好和はギョッとした。


 なぜなら、

「て、店長!?」

 なんと、アミ店長がやって来たからである。


「なんやなんや?ウチが来たらアカンのか?」


 さらに、

「えっ!もずきゅん先輩も!?」

「こ、こここここんばんは!」

 もずきゅんが、明らかにテンパりながら店長に付いてやって来たのだ。


 最後にくノ一ネコ娘千代が入って来て、無事メンバー全員が揃った。


 ネコ娘達は、アミ店長が真ん中、すなわち秋多の正面に座り、もずきゅんが猫実の正面、千代が柴井の正面に位置付けた。


 ここで、秋多が猫実に耳打ちする。

「おい。ハヤオンさんは来ないのか?あと金髪ツインテの子も」


「みたいだな......」

「......まあでも、みんなカワイイからオッケーか!」


「お前がエラそうに言うなよ......」

 猫実好和は小声で答えながら、さらなる不安が胸中に去来する。

ーーーこのメンツで大丈夫なのか!?てゆーかバイト先の女性店長と合コンするかフツー!?

 極度の人見知りで男性が苦手なもずきゅん先輩は大丈夫なのか!?千代先輩は開催には協力してくれたけど、正直どうなるか全く読めない!ーーー

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る