第15話 世界はせまい

 ......五分後。


「じゃあ俺ここのアパートなんで。今日はおつかれっした!」


「えっ、ワタシもここなんだけど...」

「え?」

「え?」

「えええーーー???」


 二人は同じアパートだった。 


「ナル先輩がなんでここに!?」

 猫実好和は仰天しながら訊ねる。


「あ、あんたこそなんでここに!?」

 ナルも同様に問い返す。


「俺は家賃安くて大学にも通いやすいからってのが大きいですけど、ナル先輩って人気ドラマに出てた女優さんだったんですよね??そんなスゴイ人がこのアパートに??」


「わ、ワタシにも色々と事情があるのよ!それに嫌々住んでいる訳でもないし!ここは色々と安心できるの!」

「まさか店長だけでなくナル先輩まで居るなんて......」


「ふんっ!むしろ猫実くんもここに住んでいたことの方がびっくりよ」

「...世界は狭いですね......」


 後からわかった事だが、実はアミ店長とナルだけでなく、もずきゅんも同アパートの住人だった。

 それに加えてさらに猫実好和を驚かした事実がある。

 この妙に安い割に小綺麗で広い間取りの割安アパートのオーナーが、ネコまっしぐランドオーナーと同一人物だったという事だ。

 

「ま、まさか、俺はこんなにもネコ娘達と繋がっていたなんて......てゆーか、何で今の今まで見かけた事すらなかったんだ!?あんな目立つ人達なのに!

 いや、ナル先輩は耳と尻尾隠してたけども!もずきゅん先輩もコソコソしてそうだけど!店長はあのまんまでゴミ出してたけど......」


 猫実好和の疑問には私が答えよう。

 コメディーだから。

 というのは半分冗談で(半分は本当?とツッコむところ)、ネコ娘は猫同様気配を消すのがうまいのである。(それだけ?とツッコむところ)


 ...さて、ここで猫実好和の頭の中では、二人のネコ娘への疑問が深まるのであった。

 そう。正統派美少女ネコ娘ハヤオンと、くノ一ネコ娘千代の二人だ。

 彼女達は一体どこでどんなふうに暮らしているのだろうか?

 この謎については、物語の進展とともに、徐々に明かされていくことになる、かもしれない、ような気がしないでもない。(どっちやねん)

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