第3話 意識
初めての発作が出てしばらくすると彼女ができた。その彼女と初めて遊びに行き、お昼を食べようとなった時にちょっとした発作が出た。その時は軽い緊張程度ですんだけどオープンキャンパスで起こった出来事を思いだしてしまった。
「米が喉を通らなかったらどうしよう」という不安が出てきて、「麺なら喉を通るかもしれない」という結論に至り、そのまま蕎麦屋にはいった。考えた通り麺なら喉を通りやすく最初のような発作が出ずに完食することができた。(今更ながら初デートで蕎麦屋って・・・笑)
デートが終わり家に帰ると「初めてご飯を一緒に食べる人は緊張するのかもしれない」とふと思った。この時以降、初めてご飯を一緒に食べる人は緊張すると意識するようになってしまった。
大学生になって新しい友達ができた。もちろん初対面。初日のお昼は学食で食べ軽い発作が出た。しかし、二日目以降は出なかった。この時僕は確信した。初対面の人とご飯を食べると発作が出る。ここから初対面の人との会食はできるだけしたくないと思うようになっていった。
大学生活を送っていくと新しい友達も増えていく。新しい友達とは、多少不安があったけれど頑張って食べていた。
ある日、初対面の人を含め外食に行こうと誘われた。僕は大学生活のお昼はずっと学食で食べていたが、断るのも悪いと思って一緒に行くことにした。しかし、そのときはかなり激しい発作が出て、一口、二口程度しか食べれなかった。残してしまった罪悪感と、こんなに小食なやつなのかよと思われていないかの不安感に襲われた。
その場に初対面の人がいたから発作が出たのか、初めて行く場所だから発作が出たのか分からなかった。
この時から初対面の人との会食だけでなく、初めて訪れる場所でも発作が出てしまうのかもしれないと意識するようになっていった。
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