第2話 初めての発作
僕が会食恐怖症になったきっかけというか、意識するようになった出来事というのは高校三年生の時に行った大学のオープンキャンパスだ。
そこには高校生の時に仲の良かった友達と二人で行ったのだが、キャンパス内は違う高校の生徒一人と、大学の先生二人のグループで行動することになった。お昼もそのグループでたべることになり、全員食事の準備ができ席に座ると、僕の手はなぜか震えていた。みんな食べ始めたので、僕も食べようと白米を一口口に入れたが喉を通らなく、体中から冷や汗が出始めものすごい不快感が押し寄せてきた。それでも味噌汁で無理やり流し込み、ご飯と味噌汁は食べ終えることができた。しかし、おかずには手を付けることができなかった。これ以上口の中に何か入れると吐いてしまいそうだった。ご飯を残したことがなかった僕は、残した罪悪感を持っていたが、お昼の時間が終わり少し経つと、先ほどの不快感は消えていった。もともと緊張しやすく、人見知りするタイプだったので自分では気づいていなかったけどその日は一日緊張していたようだ。家に帰るとすごい疲労感が襲ってきたのをおぼえている。
次の日学校で、5,6人でお昼を食べたがいつも通り普通に食べれし、放課後にラーメン屋さんにいっても普通に食べれたのでこの時点では、ほとんど気にしていなかった。しかし、後々僕が会食を意識し始めるのはこの時の出来事であることは間違いない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます