第46話
今でも小さな国々で没発する戦争の、悲惨な状況はインタネットの普及により、戦争を知らない世代にも、生々しく知る事ができる様になった。
その状況は余りに残酷で、そして恐ろしいものだと知らされる。
「そして最も嫌うのは、やはり大地の穢れ………悍ましい状況や負の連鎖より、真実の汚れ………つまり汚染」
「汚染?」
「それはたぶん、自然界に無い物で汚す事なんだと思う」
「自然界に無い物?」
「つまり人工的な物を大地に残す事………または、それらを長い時をかけて、浄化しなくてはならない状況とする事………つまり科学物質………」
「………………」
「人間は大きく、世界的に二度の戦争を起こした。だがそれ以外でも地球の至る所で、争いは止める事なく続いている。そしてその残骸はいろんな国の、海の底や大地に残されている。そしてその残骸は、海も大地も汚染する………そして今度、大国同士の大戦が起きれば、核という驚異が存在する。最も大神が嫌う物だ」
「つまりそれを予知しているから、この国を戦う事をしない国にしたって事すか」
「………そうなるんだが……でもちょっと違う様な気がする」
「………はぁ?何すかそれ?」
「いやだから………そういった事を、ただ回避する為だけじゃ無い様に思うんだ………なんと言うか………」
宮部は、物凄くモヤモヤする様に言う。
「さっき佐藤君も解ったと思うけど、今上帝は此処以外の事をよく知っている。日本のみならず、大国、先進国、途上国………急速に発展しているICT、環境破壊による開発、世界情勢………それを確認する為に、僕達は必要に応じて呼び寄せられる、それも極平凡な若者………特に特殊な才能を持たない、意識も学識も持たない、そんな凡人を呼ぶ。そしてそれはたぶん、日本人なんだと思う」
「………でも稀に、日本人じゃ無い者もいるって………」
「それは本当に、偶々なんだと思う。偶に他国の人間が〝客人〟となるんだが、偶々何かの作用で此処に来ちゃうんだ。迷い込んだみたいに………だけど〝今上帝が呼ぶ〟のは、日本人なんだと思うんだ」
「何で?」
「大地の大神が造った、もう一つの国だから。此処と同様に、天の大神に譲り、その大地に天の大神の子孫が降臨して国を造ったから………だからだと思うんだ」
「何の為に?」
「そこなんだよ。それが解らないんだ………」
「何だ。〝そこ〟が解らないんじゃ………」
佐藤が、偉そうに呆れ顔を作る。
「………そうなんだが、ずっと気になってるんだよねー」
宮部は、真顔を作って言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます