第43話 閑話 勇者候補者 

* 閑話 勇者候補者 


私は、キャビン。オリバー王国王立教会の指導部員。先日の私の初任務で、聖女候補をオークにヤラれて無くしてしまったけど、もちろん! あれは私のセイではないですよ。

勝手に突っ込んで行って、さらに仲間を置き去りにして、我先にと逃げ帰ってきた勇者くんが悪いんだからね。

本当に、あの勇者くん、ヒロだっけ? あれ酷いよ? 本当に勇者候補なの?

最近は、剣士くんのタロ君に、とうとうレベルでも追い越されてしまったようね。

ヒロ勇者候補、レベル62、タロ剣士候補、レベル65。

いまのところ、魔道士の欠員は私がやるんだけど、聖女の欠員補充は無いみたいなので、まあ私が兼務で、聖魔法で支援したりするんだろうな〜。いやはや、お守りも大変だよ!

それにしても、ヒロは、なかなかレベルが上がってこないけど、素質はあるのかしらねぇ〜

聖剣召喚も、最近やっとサマになってきたようだけど、問題があるわね、だって、いつの間にか意図せず途中で消えてしまう!そんな聖剣ってアリ?

これは、どう見ても資質よね〜 さんざん報告は上げているんだけど、「もう少し頼む!からお守りをしてくれ」って・・・もう何よ!

きっと、次の召喚をするつもりなんでしょうけど、間が短いし、まだまだ全く召喚に必要な魔力が足りてないって思うわ。まさか?私達まで巻き込んで犠牲にするつもりかしら? 私は、教会なら、お給料ももらえるし楽そうだからってだけで入ったようなもので、信心もなにも無いのよ! 止めようかな? 私くらいなら、まだ冒険者くらいやってたほうが稼げるわよね〜 きっと・・・



タロ? 俺達さぁ、どうなるんだ? ミドリは居なくなったし、ミクは・・・、キャビンはあれ、仲間なのか? 何か違うよな〜

俺、レベルが伸びねぇの・・・俺って、勇者候補なんだろ? 何なんだ?

メンバーの補充はされないようだから、俺とお前とキャビンの3人で、これからやっていくんだろ? ミクのことは、確かに今思えば、俺達、真っ先に逃げたよな〜

あれじゃないか? 教会ってさぁ、もう俺達のこと、どうでも良いんじゃないのか?

ところで魔王って本当にいるのか? どこにいるんだ? レベル150超えなんてさ〜俺達、絶対かなわないだろ? ・・・どうすんだ?


『・・・あれれ? 勇者くんは、あまりに不甲斐なさがショックで? 呪い、洗脳が薄らいできてるのかな? まさか?ね・・・・・』


ヒロは、ああ言うけどさぁ〜、俺達なんて他に取り柄なんてないだろ?

お金もくれるし、買い物もできるし、俺は別に不満なんてないけどな〜

そうそう、キャビンさんに、ダイヤのペンダントが欲しいなぁ〜てせがまれてさ、しかもだよ?オイラと一緒に市場に買い物に行こうか?って言ってくれるんだぜ〜!俺、幸せ!あんな美人さんとデートだ。

キャビンさんの欲しいものなら何だって買ってあげるよ! 他に金は使わないし、俺、結構貯めてるんだよ・・・


『・・・こいつは、相変わらず、色ボケ!だろ! まあ、気楽なヤツだよ。きっと、キャビンが行け!って言ったら、火の中へでも飛び込んで行きそうだよ? 良いところ?を見せたいためかな? 命令一発で、どこにでも突っ込んで行きそうだよ。

まあ、今のところ、キャビンの命令が一番!なんだろうけど・・・』 (リンネ)






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る