第38話 (第二部 ノスト王国) 上陸 

第二部 ノスト王国


* ノスト王国 上陸 


ガウス大公領まで転移してきたけど、ここからは、正規のルートで、つまり観光船でノスト王都の港まで移動することにした。

まあ、普通に移動しておくのも良いかな〜ってね。旅行気分も満喫?できるかな?なんてね!

普通の漁船だと、4時間くらいかかるらしいけどね、この観光船は高速船で、倍の速度で、ほぼ2時間でノスト王都の港まで行けるというし、

1時間に一本出発しているようだ。まあ、高速船2台でうまく回しているんだろうね。

なので、午前の第一便8:00出発の船に乗ろうと出かけてきたんだよ〜

今、7:00、出国の手続きをしている。冒険者カードを出して、チェックを受ける。そうそう、船賃は、片道、銀貨1枚だったよ〜


「はい、ミヤビさんですね? 問題ありません、良い旅を!」ってカードを返してくれたよ!〜 犯罪歴なんて無いしね!

船に渡してあるタラップを登っていって、船の上に到〜着!そのままデッキにいても良いらしいけど、私は、船の中へ入っていくよ、だって、風がビュービューくるよりは、中のソファーでゆっくりしたいからね〜

それに、デッキの端のほうにいる連中の気配がおかしい?んだよね。

おかしいよね!みんな、犯罪履歴を調べられたはずなのにね!

私には見えるんだよ!一人は殺人称号、他の二人は盗賊称号をもっている。

どうやって?あの鑑定機をすり抜けたのかな?〜


一応、魔法でマークだけは付けておいたので、マッピングに表示されるんだよ〜

これも、リンネに教えてもらったマッピングの応用魔法なんだけどね!

まあ、こんなのは、私の並列思考が監視してくれてるはず?だから、私は、賢者のところにあった、「勇者と聖女」なんていう読み物?創作物語?かな、それを取り出して読んでいる。


なかなかな、ラブ・ロマンスだよね〜 魔王と戦うっていう使命を受けて、自分たちを鍛えてレベルを上げて、魔王の配下をやっつけて、順当に勝ち上がってきたんだけど、やっぱり、最後の魔王には刃が立たなくて、腕を一本失って逃げ帰ってきたんだけど、教会や民衆の酷評に耐えられずに、聖女とともに山の中に引きこもる。

献身的な聖女の回復魔法を受け続けて、何とか腕の再生に成功したものの、そのせいか、聖女の寿命が短くなってしまって、それから2年を待たずに聖女がこの世を去った。勇者は、そんな聖女の亡骸の傍に居続けて、自らも1年を待たずに息を引き取った。二人並んで壁にもたれかかった骸骨は、その後、誰にも知られず、山岳地帯の洞窟で静かに永遠の時を過ごすこととなった。・・・・

って、まあ、悲壮なラブ・ロマンスだよね?〜〜


と、船内アナウンスで、まもなくノスト王都港に入港するっていうのが聞こえてきたので、デッキに出てみれば、ああ大きな港が見えているよ〜 その先には、王都が見える、少し高台に王都が作られているんだな、なかなか良い町並み。


デッキを下りて上陸! オーブ世界のノスト王国へ到着。

そのまま人の流れに付いていくと、入国管理の検問だね、冒険者カードを出して、チェックしてもらって、問題なく王都に入ることができたよ〜

例の3人組も、冒険者カードですんなり入国できたようだよ? おかしいね!

ここは、海沿いのせいか? 空気の香りが違うよ。まあ、すぐそこだからね、冒険者ギルドへ入ってみよう。


「たのもう〜」・・なんて言わないよ、心の中で言ってみただけ。

受付に行って、「隣国から来ましたが、何か?手続きは必要ですか?」

「では、冒険者カードを!」っていうので、見せたら、まあ、毎度毎度いろいろ鑑定されて、「問題ありません、ミヤビさん、ようこそ、ノスト王国へ!」

って言って、カードを返してくれた。ここまでしなくても良いのにね〜

受付から中を見渡してみたんだけど、あれ? 何か既視感?

奥の方で、手を振っている男性がいるんだけど? あれ、どう見ても、私に手を振っている? わかんないけど、一応、頭を下げて挨拶っぽくしておいた。

そのまま、掲示板に向かっていって依頼票を眺めていたら、後ろから声をかけられたよ。「やあ、ミヤビさんだね?」って、私の腕を掴んで拉致していくよ〜 誰か、これ、おかしくないでしょうか〜?


部屋に連れ込まれたよ。

「やあ、いきなりすまんな。俺は、ワタリ、ここのギルド長だ、ヨロシク!」

って、ああ、なんとなく解っていましたけど強引ですよね〜

「ミヤビです、先程、船でやってきたところです、こんにちは」、って挨拶しておいた。

「なあ、バンスさんからの手紙持ってるだろ? 俺宛じゃないのか?」

そうですけど、まだ私、特に困っていませんし・・・

「良いから、良いから、出してくれるか?」

一応説明してくれたけど、この人ワタリさんは、以前バンスさんたちと冒険者パーティを組んでいた仲間ということだよ、一応、Aランクパーティだったんだって!でも、私はもう知っているよ? あなたは転生者ですよね〜


▶名前:ワタリ 転生者 レベル130 

スキル:鑑定、収納、転移(短距離)


転移持ちって? ひょっとして、勇者だったの?

「あ〜勘違いするなよ、俺は勇者ではない、俺もバンスと同じ、剣士だ、一応」ってことだよ。先に言われた。


「ははは、あのバンスが、何?べた褒めかぁ〜、ミヤビ!お前凄いな!」

って手紙を私からひったくっていって開封して読み終えた感想がソレ?ですか・・

それで、早速で悪いけど・・・って、また私に直接依頼ですか?〜私、単なるCランク冒険者なんですけど!

今回私は船でここへ来たけど、海沿いにあまり整備されていないけど、馬車が通れるくらいの道があって、それでもオリバー王国と行き来できるようになっていて、そこの道路を見てきてくれないか?っていう調査依頼。


「お前、持ってるんだろ? 転移」って言ってくるし〜 もう・・・

「解ってるって! 俺も持ってるんだけどな! まあ、二人の、イヤ、バンスも知ってるか? 三人の秘密にしようじゃないか! ミヤビ? そうしてくれるか?」

はいはい、もう! 分かりましたから・・・

ということで、具体的に何をどう?したら良いのか、などの詳細を聞いて、そんじゃあ、早速行こうか!と席を立ったら、

「まあ、待て!そんなに、お前をこき使う?とかはしないから・・」

って言ってくれて、まずは、宿の紹介、向こうと同じで一泊銀貨1枚の宿を紹介してもらって、とりあえず今日は市場でもぶらつけば?って、ことになったよ〜

それで、明日から暇なときに調査してくれれば良いから! ということらしい。


因みに、このノスト王国の貨幣で、オリバーと違うのは大金貨があることらしいよ。これが、バンスさんから聞いた、オリバー金貨の10倍もの? オリバー金貨と同等なのが、通常金貨で、これを基準にして銀貨、銅貨の価値も決められているそうだ。

だから、10銀貨=1金貨、10金貨=1大金貨、という相場だよ。これは、オリバー王国の貨幣価値に合うように過去に調整されたらしい。

なので、一泊銀貨1枚は、銀貨1枚なんだよね・・


そうそうって思い出して、船の中の3人組について、冒険者カードですんなり入国していたけど、私の鑑定では殺人称号持ち一人と盗賊称号が二人だったよ〜って話したら、席から椅子をバタンって倒して立ち上がって、「何!・・・」って、私が睨まれてもねぇ〜 どうしたら良いの?

これは、「秘密案件」ですよね?って念押ししてから、ワタリさんに、その3人の居場所と風体を教える。だってマッピングにマークされてるからね、それが隣の食堂にいるんだよ? やっぱり言っておいたほうが良いよね。

「解った!ありがとうミヤビ!お前、すげえなぁ〜」

って部屋から飛び出して行ってしまった。


PS.

近況ノートに、物語の地図を掲載しておきました。


【者予定者なのに神の不手際で勇者候補から外れた少女が、神使のペット猫に導かれて気ままに、のんびり無双してるよ・・・】


リンネと勇者予定者ミヤビの世界地図

物語の世界地図です・・・


0)リンネと勇者予定者ミヤビの世界地図

1)リンネと勇者予定者ミヤビの世界地図・オリバー王都

2)リンネと勇者予定者ミヤビの世界地図・ガウス大公領

3)リンネと勇者予定者ミヤビの世界地図・ノスト王都

4)リンネと勇者予定者ミヤビの世界地図・ノスト王国


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