第35話 王女 帰る
* 王女 帰る
お昼近くになって、カレンさんがトボトボとやってきたよ。今日2回目だね。
面倒だけど、まあ門まで迎えにいってあげよう。
と私の姿を見つけるなり、あれれ・・・深々と頭を下げている? どうしたの?
何かブツブツ言ってる? 聞こえないけど・・・ 身体強化して聞いてみれば、「ミヤビさん、昨日は大変失礼しました。バンス殿があれほどあなたを信頼しているとは知らず、・・・本当に、申し訳アリません、でした〜」
って言ってるな。まあ、良いや。
頭を上げさせて、手を引いて屋敷まで連れてきたよ。今、王女様は、髪の手入れ中だと思いますって言ったら、「そう!なんです。これを王女様に置いておくのを忘れてました〜」って、手に持っているバッグの中身は、カーラーだね。
今、一階の風呂場にいるからっていったら、飛び込んでいったよ。
ビビちゃんは、居間で、リンネと走り回っているよ、外で走りなさいよね〜
一時間以上はたってるよ? で、やっと出てきた、ああ、いつもの王女様になってるね、顔も、クルクルうまくいったんだね・・・
「ミヤビさん、あれ、すごく良いです、ありがとうございました」
まあ、役にたったのなら良かったね!
それで、今日は、王宮のほうも何事も無いかのように落ちついているので、帰るってカレンさんがいうので、はい、そうですか? わかりました。
「特別なおもてなしもできず、ありがとうございました」って、私だって、ちゃんと言える!んだからね〜 「ちゃんと? 言えてる?か??」・・・もう! リンネったら? お茶目!なんだから〜
今日は馬車のお迎えだね、しかも無印、家紋なし?
どうやら、知り合いの商家まで王女の馬車で来ていて、そこから歩いてきたんだそうだが、帰りは、その商家の人が迎えに来てくれたようだよ。
まあ、一旦、商家まで帰って、そこで、いろいろちゃんと正装してから帰るんだろうね、王家の人も大変!だよ〜
馬車の窓から大きく手を振っている王女様は、可愛い!なぁ〜 「ワオン」って聞こえたかな? まあ、ビビちゃんも、変な物を食べちゃだめだからね〜
見送りも終わって屋敷の中にはいったら、何故か? ド〜〜ンって疲れたような気分。って思っていたらね、リンネが酷いんだよ、まあ、いつも通りだけど・・
「ミヤビは、疲れないよ! 状態異常無効でしょ? 気分?なんて言ってるようじゃ、まだまだ・・シゴキが足りないようだね!?」
はい、おっしゃる通りです〜
「よし、行こうか?」って、エミリに「いってきます!」して、屋敷で隠密して浮上する。あっ、カトレナの馬車が商家から離れていくよ、案外早かった?
なんだ、商家って、ギルドの真ん前じゃないの! 今度、顔だしてみよ!
この前の賢者の洞窟に、浮上したまま転移。この前、し忘れたこともあったしね。とりあえず空間把握! 周りには異常なし、だんだん範囲を狭めてきて、今、ほとんど洞窟内だけを集中的に探査している状態。見逃してるものがあったら、イヤ!じゃない? 新たに見つけたものは・・・
彼、賢者ゆうきさんの骸骨のそばから、何か?のカード? あっ!これ銀行口座カード?ノスト王国冒険者ギルドの口座カードだよ? 冒険者カードではないみたい。口座だけ?持っていたんだろうか〜 とりあえず、回収。
じ〜っと壁を舐めるように見ていて・・・、見つけた! 認識阻害がかけられているけど、魔石が壁に埋め込まれているよ? なんてたって、竜魔法の空間把握だからね〜 そんじょそこらのモノとはひと味!違うんだよ〜
流石に、何のための魔石か?はわからないけど、まあ、まず自分に結界を張って、魔石に触れて軽く魔力を流してみた。
あら!不思議! 壁の奥に、部屋が現れたよ? 悪い気配は感じられないので、入ってみると、畳2畳分くらいの、これ彼の書斎? 机と椅子があって本棚もある。本棚には、あ〜・・難しそうな本? でも、最初は表紙の文字も読めなかったけど、だんだん、わかるようになってきたよ〜 あっ!全言語理解? 凄い!
精霊、エルフ、ドワーフ、って文字が見える? 居るんだね?
あとは、かなりボロくなってるけど地球儀マークの大学ノート、これ日本製?
賢者ゆうきのメモ? 日記? 覚書? みたいな内容っぽい。
こんど時間のあるときにでも読んでみよ! なんと言っても日本語で!書かれているしね〜 と、まとめて賢者の収納区分に回収。
机の上には、書類や本、ノートなどは無いけど、万年筆? しかも、K.Yuuki って名前が彫り込んである、これ良いヤツだよ、きっと。日本製だから、この世界では使ってなかったっぽいな〜 大切に回収。
隠し部屋を出て、魔石に触れたら部屋が消えて壁になったよ。これは?空間魔法? 「あたり!よく解ったね、ミヤビも成長してるな〜」
エヘヘ・・・そりゃあ私だってね! 頑張っている!つもりなんだからね!〜
さてと、今日の目的は、この洞窟の封印と出入り口に結界を張ること。私は踏み込んで荒らしちゃったけどね、もう他の誰にも・・なので、認識阻害を掛けて立ち入り禁止にする。途中で私の魔法が切れるのはイヤなので、吸血鬼王のでかい赤い魔石を使っちゃう! これを洞窟内に埋め込んで、清浄、認識阻害、気配遮断、結界、の魔法を付与して発動! 何故か洞窟内部に赤色の闇が充満しているよ〜綺麗! そのまま飛行で外に出て、・・・あ、私の魔法だからね!私は出入り自由なのさ〜・・・ 外からはもう、認識阻害で他の人には見えないはずだけど、重ねて外からも結界を張っておいた。 ありがとう、ゆうき賢者さん、サヨナラ!
帰りは、ビュ〜ンってギルドへ直行、ギルド裏で隠密を解いて正面から入っていく。
また、奥で、手招きするバンスさんが見える? あれ? 気配も消してきたのに?おかしいな?いつも、私を待っているの??
「王女様の件、ありがとうな!こっちも、いろいろ解ってきたよ。で、まあ、お前には関わり無いことだしな、いろいろ忘れてくれ・・」
はい、はい、当然ですね。私は、関わりたくもありませんので!
それで、「王女様から、謝礼だってさ」って、金貨の入った袋を出されたので、受け取って、そっと鑑定したら金貨30枚、ああ、いつも、ありがとうございま〜す。
それで、「ひょっとしてお前にも何かちょっかい?があるかもしれないから、しばらく、王都をうろつかないほうが良いかもな〜」って言われて・・・
そうだ!なら、この際、ちょっと隣国、ノスト王国を散歩しようかな?って思って、バンスさんに、そうしたいな〜! って伝えた。
「そうか!まあそれも良いかもな?でも、時々、顔だせよ? お前なら、即! 来れるだろ?」って、エッ、まさか? 私が転移できるのも?知ってるの?〜
「はははは・・図星だったようだな!」
ああああ〜ん、また一本取られた!よ〜 まあ、良いけどね、「秘密」って言ってくれたし。
それじゃあ、ちょっと待て!っていうので、受付のお嬢さんが持ってきてくれた紅茶を飲みながら、少しボ〜ってしていたよ。ああ、ここ、安心出来る〜
「ほら!」って机の上に、封書と銀色のメダル? 違う、これ白金だ!
「向こうで、最悪?は俺に連絡! 良いな! あと向こうのギルド関係で何か面倒事に関わって困ったら、それを向こうの、ノスト王国王都の冒険者ギルドのワタリというヤツにそれを見せろ!」って言われた。
ワタリさんは王都冒険者ギルド長らしい。それと白金のメダルは、私の身分をバンスさんが保証する!っていうものらしく、確かに魔法効果が付与、刻印されているよ? 『この者ミヤビを保証する、オリバー王国冒険者ギルド長バンス』
あれれれ? 何か凄いものが・・・手に入ってしまったよ〜 私、ただのCランク冒険者なんですけど!〜
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