第25話 閑話:使用人 エミリ 

* 閑話:使用人 エミリ 


「あれ?ミヤビさん? おかえりなさい。一体、いつ?どこから? 」

「ゴメンゴメン、今から話すから、ちょっと食堂で良い?」


って、ダンジョンに行ってきたこと、魔物を全部やっつけたこと、なんと、宝箱が出たこと、それで、いろいろな魔道具を手にいれたことなどを話してくれたけど、

何? 全部・・・不思議?奇跡? この人一体何者? って思ってしまいます〜

それで、闇転移の指輪よって見せてくれたのが、ピンクの可愛い指輪で、えっ?これで転移できてしまうの? どうやら、もともとの色や形は違ったらしいけど、直したんだって!? もう、なんでもアリじゃん。

で、揃いの色の腕輪を手首にしているけど、これで解呪や防御など、いろいろ効果があるんだっていう。何か?急に、凄い魔道具を手にいれたんだね?

おめでとう! って言ったら、エミリも要る? 必要でしょ? 街でも襲われるかもしれないし〜って、何かを私にくれようとしている。みれば腕輪、これはオレンジ色で可愛い。


まあ・・どうぞ〜って渡してくれるので、ミヤビと同じように左手首にハメてみたら、スーッと縮んで、きつくもなく、ゆるくもない、ぴったりサイズに落ち着いたよ、これ、何?凄い! さらに驚くことには、この腕輪をしていれば襲われることは無いし、例えなにかあっても死なないっていうし、もう何これ?


*攻撃無効、*魔法無効、*状態異常無効、*不壊、*使用者限定:エミリ、っていう魔法効果が付いていて、さらに、

*生活魔法強化、*解呪、*解毒、*身体強化、*催眠、という魔法を発動できる、ものらしい。始めの3つは自動発動しているんだって!? 

身体強化と催眠は、私が発動する魔法。


どう?考えても、こんなの?だよね〜 そんなものを、何も考えずにポンって私にくれるの? 私、何もお返しできそうもないな〜 でも、ありがとう!

「良いの、良いの、気にしないで、もらっておいて! ダンジョンから出てきたものだからね、そんなに不思議じゃないでしょ?」


・・・って、そもそも、今日が初めてのダンジョンだよね、そこで宝箱を引き当てて、しかも中身がそんな国宝級だなんて、ミヤビ? 大丈夫なの? 一生分の幸運を使い果たしそうな勢いだよ〜

「平気!へいき~だよ〜、だから気にしないで使ってちょうだい!?」

まあ、ありがたく! 使わせてもらいますけどね・・・


そういえば、最初は、王女様に言われて、馬車でお迎えに行って、傭兵たちに襲われて、まさかの同行した執事が盗賊たちの仲間で、という状況で、私は、執事に一発もらって、気絶していたんだけど、目が覚めて周りを見たら、ミヤビが一人立っていて、傭兵たちが全員、気絶?居眠り?していたんだよね。あれ、絶対、ミヤビが助けてくれたんだよ、絶対! 

そのあと、ギルドの人や衛兵たちが来て、賊を取り押さえて運んでいたけど、私達は、私の運転で、王宮の王女様のところへと急いで行ったら、王女様護衛のカレン副団長が出迎えてくれて、ミヤビさんは中へ連れていかれて、私は、カレンさんに経緯を話したんだけど、もうカレンさんは事情を知っているし、驚いちゃった。でも、このことは他言無用、出来れば忘れろ!って言われて、忘れることにしたのにね・・・また、出会えちゃったよ、ミヤビさんに。


いきなり、王女さま直々に、「いままでありがとう」って言われて驚いたけど、新しいご主人さまが、バンスさんで良かった。あの方は、・・・って、いけない、これは極秘事項だった、首がなくなるのはイヤだからね、注意しなければ・・・

それで、バンスさんが、新しい主人に付いてやってくれ!って言われたのが、ミヤビさん、しかも、何?この屋敷、もうすでにミヤビさんが購入したんだって! 

バンスさんのことだしね、何か?したのかもしれないけどって思ったけど、イヤ、何もしてないぞ〜って先に言われてしまった。ミヤビさんの自己資金で全額支払い済、って凄いよね、あの若さで、しかも、あまりにも、世の中に疎い?しね・・・まあ、何かあるんだろうけど、話してくれる日がくれば良いな〜


さてと、今日は何を作りましょうか? そろそろ風呂から上がる頃合いですね〜

時々、が〜とか言っているけど、転生者の血を引いているとは聞いているけど、あんな!ものを食べたいの? 不思議。

なので、今日は、転生者の料理だよ、オークの生姜焼き、野菜スープ、焼き立て白パン、ってところかな? このマジックバッグ、もうコレだって、国宝級とまでは言わないけど、貴族様でも伯爵様くらいにならないと買えないって聞いたことがあるし・・・ これも、ポンって渡されて、「便利でしょ!使って!」だったよね〜

そうそう、魔物をやっつけたら、魔物の宝の中にあった!って言ってたよ、そんなの、奇跡!? だよ、まったく!〜〜



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