第8話 ゴブリン村の調査 

* ゴブリン村の調査  


少し、ギルドの依頼を消化して、ランクを上げよう!ということになったよ。リンネが言うには、もう少し、ランクを上げて、それからダンジョンに潜ろう、っていう予定らしいのだ。なので、頑張って依頼を受けよう!


朝一番はとても混み合って私には、ちょっとついていけないかな?ということで、昼前、遅めの出勤なのだ〜

その日に張り出される新鮮な依頼、割の良い依頼、などはもう無いけどね、「残り物には福がある」って言うし、掲示板を見ていたら、バンスさんが出てきて、なんと、私に直接依頼があるって言う。

「まあ、暇なら、ゴブリン村ができそうだって報告があるので、そこを調べてくれないだろうか?」っていう、初心者の私でもできそうな依頼なの? これは、まだ調査中だから、依頼として張り出されていないものらしい。

でも、・・・私で良いの? 「あんただから話しをしたのさ〜」って案外?軽いお話?なのかな?


そこまで言われたらね! 頑張って行ってきますよ。場所は、この前の薬草地の東の方、山裾の林の中ってことらしい。片道徒歩2時間、ちょっと遠いかな?

まあ、なんとかなるかな? ねえ、リンネ? 何とかなるよね〜

「ミヤビ? お前なあ〜、自分で! 頑張れよ〜」

まあ、受けたものはがんばりますよ。門を出て、まず真北に向けて走り出す。


まあ解っていたけどね、10分もしないうちに、ゼーゼー、息が出来ない・・・

自分でヒールを掛けていると、リンネが寄ってきて、「だから〜何で、身体強化、使わないの? 聖魔法の中にあったでしょ? 」

って、そうだった! 思い出した! で、いきなり身体強化を自分に掛けてみたら、ヒールの効果も上がって全く疲れ無し、よし、これでまた走れる!

そう思っていたら、リンネがね、「待て! このオタンコナス!」

って、もう!ひどいんじゃない? ちょっと、プリプリしてたんだけど、ス〜って怒りも収まってしまったよ? リンネだね、なにこれ?「ヒールだよ?」

って、エッ、ヒールって怪我や病気の回復じゃあ無いの?「精神の鎮静化かな」

と、詳しく説明される。はい、わかりました! 


それで、どうして「待て」なの? 「なに、一つ便利な魔法は要らないかな?って思っただけだから、気にしなくても良い。」

と、そう言われてしまってはね〜 是非!教えて下さい! 

「聖魔法関連で身体強化、ここまではわかってるよね?今から教えるのは、瞬足。これ、脚がとても早くなる身体強化の応用魔法」

是非! 教えて下さい。ってお願いしたよ。何だ? 身体強化をして更に下半身から脚にもう一回身体強化をかけるような感じ?で、瞬足を発動して、そのあたりを走り回ってみたよ。これ凄いじゃん! 疲れないし、息も上がらないし、何よりも早い! リンネ、ありがとう・・・


ということで、方向を間違えないように空間把握でマップを表示。そこにゴブリンを指定して探索してみると、確かに薬草の場所の東あたりにゴブリンの気配が多いよ、そこだろうね。

リンネに声をかけてから瞬足で走る、飛ばす、これ?普通の歩く速度の4〜8倍くらい出てるんじゃないかな? ほんの10分も走ったかな?くらいで見えてきたよ。

マップで確認しても、ここから気配が強くなっていって林の中に固まっているけど? もう、村? できているよね〜 なら、もう調査完了なのでは? ってそうそう!バンスさんの言葉を振り返ってみたけど、調、とか言っていたよね〜 確か! 対処もかぁ〜 まあ、ヤッてやろうじゃないの!


気配遮断で気配を消して、林の中を進む。不思議だよね、2mも離れていないところを通っているんだけど、私になぜ気づかないんだろう。

まあ、この辺りをうろついているのは見張りとかそんなのだろうから、放っておいて、気配の集まっている場所を目指す。

あれ?村? 門まで作られているの? って見ていたら、そこへ火の玉が飛んできたよ。誰? 私に当たるじゃないの! 危ないな〜と思って、急いで結界を張ったよ。このあたりの対処、もう、慣れてきたかな? 

でも、どうして?バレたのかな?


「ゴブリンの中に、魔道士がいるね、向こうも気配察知を使っているし、火炎魔法も使えるようだよ、気をつけて!」

ってをもらえたけど、えっ?それだけ?ですか?


とりあえず、わかんないまま、マッピングで魔道士を探索して居場所は解った、一番奥の集団だよ。どうやらそこには、ゴブリンの大型のもいるし。キングってヤツ?

この前教えてもらったヤツを試そう。生きているヤツらからの魔石回収だよ。

奥の集団の前までの範囲を指定、その中にいるゴブリンたちから、魔石だけを指定して収納で回収。成功! 収納内に魔石がゴロゴロ、目録には56個回収ってあるし、私の周りに立っているヤツが居なくなったよ。これ!凄いよ!リンネ!


そのあとも、火炎や壊れた剣や槍や石ころが飛んで来てる。全部が私を狙っているんだけど、幸い結界が全部防いでくれるようだよ。安全、安心。

最奥の屋敷の前には、でかいのが3匹、その前に5匹、そして一番前に、例の魔道士ゴブリンが出てきて何かやっている。大きな魔法の準備かな?

リンネの指示通りに結界を強めに張り直して待つ、これ、挑発?


空も暗くなってきたよ? ああ、解った! 落雷だね? リンネ?これ平気なの?

「まあね〜」って軽くいわれるんだけど、ちょっと不安。

ドドドカ〜ンって落ちましたね、落雷、しかも私の目の前に。あれ?でもそれだけ? 私、何とも無いけど?

「ああ、音だけだね、魔法も、電気も、全部無効化して吸収しておいたから、平気だよ!」

と、こころ強いお言葉。なので今度は私の番! 強めの風刃で魔道士の首を狩る、首が落ちる、更に、王の壁になって立っている連中に向けて連続で風刃を飛ばす。やった〜、5匹の首刈り成功。で、ここで、ちょっとふらつくので、自分に身体強化とヒールを重ねがけして耐える。

リンネ〜、あと、どうしよう? 私、ちょっとつらいかも?・・・

眠気が襲ってきて、そのあとの事、記憶が無い。


リンネに頭をポンポンされて目覚めて理解した。リンネが片付けてくれたんだ。ありがとう。今、リンネが張ってくれた結界に包まれている。これ、気持ちが良いんだよね〜 ポカポカ温かいし、何となく回復も効いているのかな〜

そこから見てみれば、でかいゴブリンも両隣の偉そうなゴブリンも、すべて眉間に小さな穴が開いて倒れている。あれ、光射か光槍か?光るヤツだよね?

そして、そいつらの前には、何かりっぱな剣や槍、魔法の杖、何かの魔導具っぽいものなどが、集められている、宝の山だよ〜


良し、もういいだろう?って結界を解除してくれて、外へ出してもらえたんだけど、いきなりの指示。全ゴブリンから全部の魔石回収、をしろ!って。

幸い、魔力も戻っていたので、言われた通りにヤリました! できました!よ〜



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