第4話 魔石回収 

* 魔石回収 


まず、僕が説明しながら手本を見せる。

わかりやすいように、魔物の山からゴブリン一体を転送して目の前に置いて、ここからが重要。

そのゴブリンの魔石を意識して、魔石だけを、そのまま取り出せたら良いな〜というイメージで、魔石だけを指定して収納空間へ回収する。名付けて、「魔石回収」。

ゴブリンに向けて発動させれば、僕の収納に回収されてくる。

どこにも、手を触れることなく、ナイフでグリグリも不要、多少の血がついたままでも、収納されてしまえば自動的に清浄が働くから綺麗になっている。

と、回収した魔石を取り出して見せる。


ポ〜と口を開いたまま固まっているミヤビだけど、取り出された綺麗な魔石を見せられて、やる気になった?のか、自分でやってみる、っていうので、ミヤビの前に、ゴブリンとオークを一体ずつ出してあげた。さあ、実践だよ。


僕は、暇になったので、魔牛を収納に取り込んで収納内解体をする。食用ブロック肉を取り出して、大きな岩の上で風刃で食べやすい大きさに切り分けて並べて、火炎で炙り焼き。うん、良い匂いだ・・・こんなの、猫がするか!?〜・・・


「リンネ!〜 見てみて!出来たかも・・・」って声がするよ。うん、知っていた。ちゃんと、並列思考で見て、鑑定していたからね。出来ているよ。

大したもんだね、やっぱ、勇者予定者だったのは本当なのかね?

近くに寄っていって、ミヤビの肩に飛び乗って耳元で、「おめでとう、できたね!」って言っておいた。オークの魔石を取り出してもらって見る。綺麗な大きい魔石だよ。ミヤビも同じように見て、自分で鑑定までしている。

「ねえ、リンネ? これ、オークの魔石って出てるけど?」

そういえば、ちょっと大きめなヤツだったかな? 光槍でシュッってやっただけだから、あまり相手を見てなかったよ・・・


さて、次は収納解体だよ。オークなどは、魔石だけでは無くて、皮も、肉も、新鮮な内蔵さえ、素材、食材になるからね、魔石だけ取って捨てるのも。とりあえず、オーク一体を収納させる。もう慣れてきたようだね、軽く触れるだけでミヤビの収納に回収されていった。

さて、ここからだ、自分の収納内のオークを指定して、収納解体の魔法を使う。この魔法は、収納スキルと連動した魔法だから、潜在的に持っているはずだよ?


ウ〜ンウ〜ン唸っていたけど、収納解体、出来たようだ。「リンネ! 解体出来て、目録に、オークの革、頭、食用ブロック肉5kgx10、新鮮な内蔵、って出てるよ〜」

合格だ。ドラゴンでも何でも、同じように出来るから、便利だよ。

例えば、そこの魔狼なんだけどね、肉は食べられないことはないけど、固くて癖があるからね、よほどでないかぎりは、肉は捨てる。なので、収納解体してできた素材一覧から、肉のブロックは「破棄」を選べば、収納空間の虚空空間に移動して破棄することが出来るよ、ただしこの虚空空間に入れたものは二度と取り出せないから注意!だけどね。

なので、普通は、魔狼の肉は取り出して、ゴブリンの死体と一緒にして火炎で燃やす。

ミヤビは、火魔法を持ってないけど、生活魔法としての火炎があるから、魔力を込めて使えば大きな火炎をつくることも可能だ。


ということで、まず魔物の山の中のゴブリン全部を指定、一体だけじゃ無いよ、全部のゴブリン、それらのゴブリンから魔石回収。どう?うまくいった?

「はい、いっぱい魔石だけ収納されてきました」よし、合格。

ゴブリンの死体が邪魔なので横に転送しておいた。


さて、次は魔狼だね、こいつが一番多い。まあ、素材もどっちでも良いんだけど、素材は安いけど金になるからね、魔狼を指定して収納、収納解体をしてもらう。不用品を捨てるのはいつでも出来るからね、売れるかもしれないし。そのまま収納に入れっぱなしで。

と、最後にオークがもう一体残っているので、同じ様に収納、収納解体させる。

ミヤビもなかなか、になってきたのかな? 手際も良くなっている。


後は・・・攻撃だね。それと結界か? ・・・

とりあえず、自前の、鑑定、収納をいろいろ使ったせいか? レベルが上がっているようだな。

*レベル60⇧ か、一気に上がったな、成長促進でもかかっているのか?


まあ良い。とりあえず次は、やはり冒険者登録だな。レベル上げにも、素材の換金にも便利だしな。ミヤビにもそう話して、王都へ行くことにした。

ミヤビに聞いたけど、召喚された連中とは、ほとんど顔を合わせて話したこともなく、同じ部屋にいたことも無い、とは言うけど、面倒なことは避けた方が良さそうなので、ミヤビの了解をもらってから、させる。

髪の色は、黒から一般的な金茶に、瞳も、黒目から青目へ、髪の毛の長さはショートにして、あとは服装を変えよう。


王都の中央市場で、適当に女性魔道士っぽい服装に着替えさせる。お金はミヤビが持っているから、とりあえずそれを使って。靴も、動きやすいブーツに・・

店から出てきたミヤビを見れば、別人だね。髪はショートの方が似合うかな?

そう言ってあげたら、何か、顔を真っ赤にして下を向いてしまったよ。あの〜、僕は、あなたのペットの猫ですよ〜。

それと、収納をごまかすための、適当な大きさで、邪魔にならない程度の肩掛けバッグを一つ購入。何かと便利だから、小さ目の布袋を6個購入しておいた。

よし、これなら平気かな?




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る