華々しいリザルトチェック

 



『戦闘に勝利しました』

『只今の戦闘経験によりレベルが30に上がりました』

『只今の戦闘経験により[精神統一]を修得しました』

『只今の戦闘経験により[挑戦者]を修得しました』



『N2フィールドボスの初撃破報酬によりボーナスポイントが付与されます』

『N2フィールドボスを全ワールドで初めて討伐したことにより報酬が付与されます』

『N2フィールドボスを全ワールドで初めてソロで討伐したことにより報酬が付与されます』



「おわっっ……たぁ」


 寝返りを打つようにして、地面にごろんと仰向けになる。

 大の字になって、脱力。


『8888』

『おつ』

『凄すぎた』

『GG』

『おつ』

『お見事』

『おめでとう』


「みんなありがと~~

 いやー、流石にキツかった」


『当たり前w』

『格上のボスなんだよなぁ』

『ソロってのが異次元すぎる』

『唄は使わなかったね』


「いやー、カナ呼んだら楽ではあったんだろうけどね。どうしてもリベンジしたくて。

 唄はソロだと使えないねー。現状私の攻撃手段、どっちもチャージが要るけどその間は他の行動が出来ないし」


 ……いや、あれ? 聖魔砲のときはほかの行動もできるんだっけ?

 まあいっか。どのみち歌じゃどうにもならないだろうし。


『カナユキのボス討伐もみたい』

『次はカナユキですね??』

『これからコラボか』

『楽しみすぎる』

『チャージ必須スキル2本のみでソロ討伐』

『そう聞くと尚更やばいな』

『ポーション神がかってた』


「あーわかるー。おばあちゃんの力は本当に大きかった。また買う時お礼言わないとね」


 さて、いつまでも寝ているわけにもいかない。

 よいしょっと起き上がり、中級ポーションを飲んだ。


「帰りながら、リザルト確認していこうか」


『おっ』

『wktk』

『いつも思うんだけど情報ポンポン見せてええん?』

『確かに』

『ユキはそういうスタイルだよ』


「あー。私は手札を伏せておくとか、そんなタイプじゃないんだよねぇ。

 なんというか、真似するなら真似しろ。対策するなら対策しろ。私はその上を超えてやるぜ! って感じの」


『えぇw』

『カッコイイ』

『無茶苦茶すぎる』

『実際出来てるのが草』

『真似出来ねえよ()』

『聖女以外は真似できそうではあるけどな』

『こういうとんがりまくったプレイはみてるだけが一番です』

『縛りプレイ動画とかも一緒だよな』

『言い得て妙すぎる』


「かの偉人は言いました。『皆が私の打球に対して引っ張り警戒のシフトを組むんだ。だからその上を超えてホームランにしてやったよ』『私を警戒するあまり、試合では四人以上のマークが付くこともある。私はそれを敢えてドリブルで突破するのさ』

 極端だけど好きな台詞なんだよねー。言ってみたい!」


『突き抜けた一つの力は、もはや暴力でしかないことが良くわかる』

『どっちも世界的な選手じゃねえかw』

『結構スポーツのネタ出すよね』


「何だかんだで伝わりやすいかなって。家族の影響もあるけどね。

 まぁ、そういう訳だから特に気にせずオープンしていくよっと」


 特に言いはしないが、私のビルドが特殊だからというのもある。

 トランプのように手札を伏せながら戦うのではなく、真正面から全部ライフで受けてライフで殴るだけだからね。


 ポチポチっと操作をして、ウィンドウを可視化。

 まずは……ステータスかな。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 名前:ユキ

 職業:聖女

 レベル:30

 HP:6793

 MP:0

 ◆◆◆◆◆◆◆◆


『は!?』

『やばww』

『七千乗るぞw』

『一気に伸びたね』


「これはちょっと予想外だねぇ。フィールドボス討伐のボーナスポイントがかなり貰えてて、その分も大きいって感じ」


 VITの値も400を超えた。順調にライフを伸ばせていると言えるだろう。

 次は、技能かな。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 技能:精神統一

 効果:MPを10%回復し、かつ次に使う魔法攻撃の威力を50%上昇させる

 条件:特定の職業に就いた状態で属性ダメージを一定以上与える

 ◆◆◆◆◆◆◆◆


「はい、次!」


『いや草』

『強そうやん?』

『あっ』

『一般的には強そう』

『察したww』


 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 称号:挑戦者

 効果:ボス級の相手に挑む際に物理&魔法攻撃力が3%上昇。

 相手が格上の場合上昇量が5%になる。

 説明:かの者は常に挑戦を繰り返す。何度でも、折れることなく。

 ◆◆◆◆◆◆◆◆


「ぬわーーー!!!!!」


『www』

『これはwwww』

『断末魔w』

『ドンマイ』

『これは哀しい』


 どうして、どうして新しく得たものがどっちもハズレなんだ!

 いやまあ、普通の人からすればどちらも素直に強い効果なんだと思う。

 だが、考えてみてほしい。

 [魔法攻撃の威力上昇]も、[物理/魔法攻撃力の上昇]も、今のところ私には恩恵がなさすぎるんだ。

 私の攻撃スキルは魔法攻撃の類ではないし、攻撃力に至っては言うまでもないだろう。


「うぐぐ……どうして、どうして…………」


『元気だして』

『ドンマイw』

『折角の主砲と副砲なのに強化対象にならない悲しみ』

『真似て極振りしなくて良かったw』

『↑草 わかるけどw』

『リザルトで空振りが増えるのは辛いよなぁ』


「他人事だと思ってみんな好き放題言っちゃってさぁ!

 ……ふん、良いもん。 実は今回、まだ報酬があるんですよ」


『実際他人事なんだよなぁ』

『空元気感あって笑う』

『かわいい』

『うんうんそうだね』

『早く見せてみ?』


「期待してないな!?  聞いて驚け。装備なんだぞ!

 フィールドボスを最初に倒した者として一つ、ソロ討伐報酬として一つ!」


『マ?』

『神じゃん』

『流石フィールドボスってか』

『装備が報酬になるんだね』

『おあつらえ向きじゃん』

『ほんとだ』

『初期装備脱却?』


「まだ性能見てないんだよね。一緒に見た方が盛り上がるかなって」


『おお』

『待ってw』

『この流れ、二つに一つすぎる』

『なんか察したんだが』


 うぐ、不穏な流れのコメント欄になっている。

 だがみんな思い出してほしい。皆でリザルトはほぼ毎回見ている。大当たりのときも有ったはずだ!


「え、えーと、1つ目は……ボアのリング? 」


 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 アイテム:ボアのリング

 分類 :アクセサリ

 性能 :STR+5%

 説明 :猪の王を打倒したものの証。装着すると力が漲る。

 [ユニークアイテム] [譲渡不可]

 ◆◆◆◆◆◆◆◆


『えっっ』

『やばw』

『強すぎる』

『アクセの性能じゃねぇ』

『S T R』

『あっっ』

『クソワロタwwww』

『譲渡不可なのが辛すぎるw』

『泣かないで』


「泣いてないからっ!!

 ソロ討伐の方が残ってるもん!」


 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 アイテム:キングボアの魂

 分類 :アクセサリ

 性能 :[王者の咆哮]使用可能

 説明 :猪の王にたった1人で立ち向かい、撃破して見せた狩人。かの者はその力の一端を受け継いだ。

 [ユニークアイテム][譲渡不可]

 ◆◆◆◆◆◆◆◆


「……技能追加?」


『え』

『おーー』

『これは』

『来たか?』


 技能追加アイテム。性能……いや、この際もう性能はどうだって良い。

 頼む。一つくらいは使えるものであってくれ……!!



 ◆◆◆◆◆◆◆◆

 技能:王者の咆哮

 効果:自身の咆哮に、どちらかの特殊な効果を付与する。

  ①敵性存在に対し、高確率の威圧、恐慌と低確率の即死を与える。対象との距離が離れるほど効果は減少し、また対象が自身より低レベルであるほど効果は著しく上昇する。格上には効果が無い。

  ②不可視の衝撃波を放つ。威力は自身の最大HPの5%。防御貫通効果を持つが、与ダメージ上昇の効果を受けない


[使用回数5/5]※AM0時にリセット

 ◆◆◆◆◆◆◆◆



「きったぁぁー!!!!」



 まだお昼前の、アジーン北門周辺。

 そこでは、両手を突き上げ歓喜の叫びをあげる聖女の姿が観られたという。




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