風呂と餃子と幽霊と

第2話

ふくこを出た後、全力疾走で自宅のマンションまで走った。

足が速くて良かった。

これでも一応高校時代は、800m走で全国大会8位入所したんですからね。

まあ、8位って微妙だけど笑

「ばーちゃんただいまー！」

「風華おかえ...ってあんたどうした？？？

汗というかなんか全体的にもっさりしてるし、いつも通り何かにんにく臭いし...まーたあんたふくこのにんにくラーメン食ったね！？

あれ食うならリビング来る前に歯を磨けっつーに」

「うん、わかったばーちゃん、わかったごめんなさい。次からそうする」

「どーだか笑またあんたのことだからどうせ忘れてリビング来ちゃうんだろうけど。...で、どうしたんそんな急いで帰ってきて」

✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎説明中✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎

「はーん。なるほどねぇ。そのかっこいいおじさんと色っぽい姉さんがこの世の人じゃないってわけか。

ちょっとやめてくれよあんたまでじーちゃんみたいなこと言うの」

そう言うとばーちゃんは、じーちゃんの仏壇に目をやった。

「いや！私もこんなこと言いたくて言ってるわけじゃないから！！！無理だから！！！

「...まあ今日の所はゆっくり風呂入って、歯磨きして寝な。疲れからくる幻覚の可能性もあるしね。沸いてるから。ちなみに今日の入浴剤はマンゴー抹茶プリン」

「でた笑うちの会社のネタ入浴剤笑

本当入浴剤好きだね〜。でもありがと」

✳︎お着替えタイム(覗いちゃやーよ♡)✳︎

おぉ...確かにマンゴー抹茶プリンだ。

意外にイケるな。メープルぽい感じで好きかも。

あ、そう言えばバタバタしてて自己紹介忘れてた。

入浴中に失礼します。

宮森 風華 平成12年1月1日生まれの22歳

大学卒業して、社会人1年目

入浴時間を豊かにすることをモットーにした

株式会社 FURO FURO の企画部で商品開発を主に頑張ってます。

趣味はジョギングと、1人で仕事終わりふくこのラーメンと餃子を食べること。まあたまーにばーちゃんとも行くけどね。

あとは、お風呂関連会社ってこともあって、入浴時間は結構好きかな〜。

半年前からこのマンションでばーちゃんこと、春川 牡丹(はるかわ ぼたん)と2人暮らし。...ずっと3人暮らしだったんだけどね、じーちゃんが心筋梗塞で急に亡くなっちゃって。

あ、じーちゃんは春川 一馬(はるかぜ かずま)って言うんだ。

しばらくはばーちゃんとメソメソしてたんだけど、最近は「仕方ないんだ」って気持ちを整理することも出来たし...。

たまに悲しくなるけどね。でも、もう平気。

今日も頑張れた。

今日頑張れたってことは

明日もきっと頑張れる。

そうやって、人生は続くんだと思う。

どこかで、仕方ないって思うのも大事なんだと思う。

諦めとかそう言うんじゃなくて。

現実を受け止めて抱きしめることが出来る人が

前を向いて生きていけるんだと思う。

(続く)