第23話 新9階層 ゴブリン軍団
9階層は、レンガの壁で出来た迷路になった迷宮タイプだった。
ものすごくゲームっぽい。
そして、入って早々にゴブリンが襲ってきた。
それにしても数が多い。5~6体ずつの群れで襲ってくる。
さらに奥に進むにつれ数が増していく。
前衛のエミリンが数で押されそうになる。
そこに一回り大きいゴブリンが混じってきた。
*鑑定
名称: ホブゴブリン
ランク: E
特徴: ゴブリンの上位種。一回り大きく、棍棒を持ち振り回す。
特技: ゴブリン語、棒術
ドロップ: 魔石、棍棒、癒し草、銅貨
カリンと俺も参戦し、遠隔から数を減らしていく。
それから迷路には時々宝箱が置かれていた。
だが、薬草やポーションなどのハズレばかりだった。
すると不意に矢が飛んできた。
ギリギリかわせたが、そこには弓を持った新たなゴブリンの姿があった。
カリンの投げナイフで瞬殺されたが。
*鑑定
名称: ゴブリンアーチャー
ランク: D-
特徴: ゴブリンの上位種。弓を使う。
特技: ゴブリン語、弓術
ドロップ: 魔石、矢、弓、魔力草、銅貨
「ごめんなさい。ちょっと気付くのが遅れて先に矢を放たれてしまいました。」
「当たってないから大丈夫だよ。俺も油断してた。すまん。」
カリンと話している隙にエミリンが前に出過ぎてしまった。
そして、また新たなゴブリンが現れた。
そのゴブリンは、ウルフに跨り槍を持つ。
どんどん増え、エミリンが囲まれそうになっていた。
「アースウォール!」
ゴブリンとエミリンの間に土壁を出して隔離した。
「エミリン、下がって!」
*鑑定
名称: ゴブリンライダー
ランク: D-
特徴: ゴブリンの上位種。ウルフに跨り、槍を持つ。
特技: ゴブリン語、槍術、狼使い
ドロップ: 魔石、槍、魔力草、銅貨
ウルフは動きが速く、跨るゴブリンの機動力を上げている。
そして、集まるのが早い。
「ごめん。危なかった。」
エミリンが戻ったのを確認し、土壁を消した。
壁の影には、さらにゴブリンが集まり溜まっていた。
「うわっ、ファイアストーム!」
全てのゴブリンを燃やし消し去った。
「おそらくボスに近づいているのだと思う。ゴブリンの数が増してるからお互いあまり離れずに行こう。エミリンもなるべく斬撃を飛ばす感じで遠隔から攻撃するように。」
「わかったわ。」
次から次へとゴブリンが溢れてくる。
ちょっとタイミングが遅れただけですぐに20~30体のゴブリンがたまってしまう程だ。
更に奥を目指すとホブゴブリンよりもさらに大きいゴブリンが現れた。
今までのゴブリンとは違って、ちゃんと防具や武器を装備していた。
*鑑定
名称: ゴブリンソルジャー
ランク: D
特徴: ホブゴブリンの上位種。短剣を持ち、剣技スラッシュが使える。
特技: ゴブリン語、剣術、盾術
ドロップ: 魔石、鉄の短剣、鉄の盾、鉄の鎧、銅貨
*鑑定
名称: ゴブリンウィザード
ランク: C
特徴: ホブゴブリンの上位種。魔法職のゴブリン。攻撃魔法を使う。
属性にあった杖を装備し、魔法攻撃力を上げている。
特技: ゴブリン語、杖術、属性魔法
ドロップ: 魔石、属性の杖、魔術師のローブ、魔導士の帽子、銀貨
*鑑定
名称: ゴブリンプリースト
ランク: C
特徴: ホブゴブリンの上位種。魔法職のゴブリン。回復魔法を使う。
特技: ゴブリン語、杖術、光魔法
ドロップ: 魔石、僧侶の杖、僧侶の法衣、魔導士の靴、銀貨
基本のソルジャー、ウィザード、プリーストの3体でパーティを作っているようだ。
そして、ウィザードは持っている杖によって属性魔法が変わってくる。
「エミリンとカリンはソルジャーを押さえてくれ。俺は魔法職を先に潰す。」
今までと違ってちょっと手応えがある。
俺達3人は戦闘を楽しんでいた。
この戦いでそれぞれが強くなっている自分を自覚していた。
止めどなく襲ってくる様々なゴブリンを蹴散らし、迷宮の奥を目指した。
さらに奥の突き当りにある大きな部屋に明らかに今までにない大きな魔力を感じる。
*鑑定
名称: ゴブリンナイト
ランク: C
特徴: ゴブリンソルジャーの上位種。長剣と盾を持つ。
ゴブリンシャーマンの側近。
特技: ゴブリン語、剣術、盾術
ドロップ: 魔石、鋼の長剣、鋼の盾、鋼の鎧、銀貨
*鑑定
名称: ゴブリンシャーマン(フロアボス)
ランク: C+
特徴: 呪術に長け、眷属を操る。呪いのデバフでステータス異常を与えてくる。
特技: ゴブリン語、杖術、呪術、闇魔法、統率、眷属召喚
ドロップ: 下層のカギ、魔石、シャーマンの杖、シャーマンローブ、金貨、宝箱
玉座に座る一際大きなゴブリン。ローブを纏い、杖を持つ。
その両脇にフルメタルアーマーを装備した重装備のゴブリン。
今まで蹴散らしてきたゴブリンとは明らかに格が違う。
ラスボスの風格があるが、9階層が最下層なのだろうか?
シャーマンがゆっくりと立ち上がり、気持ち悪くニヤッとした。
それを合図にナイトが剣を構えた。
戦闘準備完了だ。遊んでやるから、かかってこいと言っているようだ。
「エミリン、カリンはいつも通りナイトを押さえてくれ。俺はシャーマンをやる。」
エミリンが剣から巨大なハンマーに持ち替えた。
フルアーマーでは剣じゃダメージを与えられないと判断したのだろう。
「ブースト! 行くぞ!」
2人のステータスがブーストの魔法で上がった。
さらに2人は身体強化のスキルを発動した。
なんか全身が金色に輝いていてカッコイイ。
シャーマンが何かブツブツと呪文を唱えると床に魔法陣が現れ、ゴブルンが湧いて出てきた。
見る見るうちに数十体のゴブリン軍団となった。
「カリンは雑魚ゴブリンを減らしてくれ。エミリンはナイトに集中だ。」
カリンは弓を装備した。
「レインアロー!」
矢の雨が降り注ぎ、次々とゴブリンが撃破されていく。
ゴブリンがやられて行くところを見たナイトが前に出た。
エミリンも走る。
続々と召喚されてくるゴブリンはカリンが、ナイトはエミリンが抑えてくれている。
俺はシャーマンに集中する。
「ファイアスピア!」
炎の槍がシャーマン目掛けて飛んでいく。
槍に気付いたシャーマンが召喚を中止し、何かまた唱えた。
すると頭上ギリギリまで近づいていた炎の槍が蒸発するように消えた。
『マジックキャンセラーを獲得しました。闇魔法へ追加します。』
マジックキャンセラー: 詠唱中の魔法や発動後の魔法を打ち消す。
シャーマンは魔法職にとっては天敵だ。
全ての魔法をキャンセルされてしまう。
『認識した魔法をキャンセルします。あくまでも認識した魔法です。』
『なるほどね。ヒント、ありがとう。認識されなければ問題無いってことだね。』
魔法を発動したことを気付かれなければ良いのだ。
無詠唱の俺ならいけそうだ。
『ライトニング!(フリーズ!)』
稲妻が落ち感電したところに、凍結魔法でカチコチに凍った。
こうなっては流石のシャーマンも手も足も出ない。
ゴブリンの召喚が止まったのでカリンの手が空き、ナイトの助っ人に入った。
1体はカリンとエミリンに任せ、もう一体のナイトを俺が受け持つ。
「ファイアストーム!」
物理攻撃に強い重装備も熱には弱く、蒸し焼きにされて消えていった。
エミリンが横薙ぎにハンマーを振り抜いた。
ナイトは、胴体にハンマーがめり込み、振り抜いた勢いのまま吹き飛ばされた。
壁に激突し、消えていった。
残るはシャーマンのみ。
凍ったシャーマンをエミリンが上段からハンマーを振り下ろし粉砕した。
「流石に魔法が消された時は焦った。」
「ナイトも強かった。カリンの助っ人が無ければヤバかった。」
「みんな無事で良かったです。」
「ドロップアイテムを回収しよう。あっ! 下層のカギがあると言うことはシャーマンがラスボスじゃなかったようだね。」
下層のカギを使って10階層に降りるとそこには見るからにボス部屋とわかる大きな扉があった。
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