第120話
「ねえレイ、ルフィがすごく良い父親なの。信じられる?」
「あら!アランだって自慢の夫で、素敵なパパよ」
うちも双子だったけれど、私が出産後2ヶ月遅れてアランとレイにも男の子の双子が産まれた。
アランそっくりな男の子2人。
親が双子だとその子供も双子になる確率って高いのかしら?
双子の子供たちが生まれてから、昼間は乳母に助けてもらっているけれど、夜は私たちと同じ部屋で親子4人で寝てる。
新生児の頃は、夜中の授乳が本当に大変だったけれど、ルフィってば子供たちが泣くとすぐに起きてあやしてくれるし、お腹が空いている時はオムツを変えて私がお乳を与えられる状態にしてから子供たちを渡してくれていたわ。
いつの間にかお乳を飲まし終われば、ゲップさせるのはルフィの役目になっていたし、私がゲップさせるよりも上手なのよね。
ルフィは前世でいうイクメンってやつね。
離乳食が始まってからは、ルフィがとても嬉しそうに子供たちに食べさせてくれるの。
『子供たちに食べさせてあげられる時期はとても短いからな。王太子らしくないと言われてもこの時間を大切にしたいんだ』
そう言って、口を開ける子供たちに次々食べさせていたわ。
それは、ルフィに限らず陛下も王妃様も同じで、朝晩の食事はルフィが独り占めしちゃうから、昼食には必ず一緒の席で食べるのよね。
王妃様はアディリアを食べさせて、陛下はフェリクスを食べさせるの。
陛下も王妃様もそれはもう2人を可愛がってくれる。
昼間だって、執務の合間に双子の様子を見に来てくれる。
陛下に似たルフィ、ルフィにそっくりなフェリクス。
フェリクスは、まだ若く見える陛下の息子と言われても違和感がないわ。
陛下とルフィとフェリクスが並ぶと遺伝の凄さが分かるのよね。
だって髪の色も瞳の色も3人とも同じなんだもの。
背が高くて体格のいいルフィは2人を同時に抱き上げて『子供を抱きあげられる時期も短いからな』ってよく言っている。
初めて子供たちが熱を出した時は、寝ずに看病していたわ。
双子だからか、いつも一緒にいるからか同時に体調を崩すのよね。
『代われるものなら代わってやりたい』
そう言って熱でぐずる子供たちの世話をするルフィは本当に良い父親だわ。
子供たちもそんな父親の無償の愛を感じるのか2人ともルフィに1番懐いているわ。
だからか、初めて子供たちが喋った言葉は『とーた』だった。
ルフィが執務の合間に顔を出した時、ルフィに抱っこを催促して手を伸ばしながら『とーた』『とーた』と言ったの。
『フェイ!アディ!父様と言ったのか?』
歓喜まって涙目になるルフィが可愛かったわね。
それからすぐに陛下と王妃様のことも『ちぃーちぃ』『ひゃーひゃ』と言うようになった。
歩き始めの最初の一歩もルフィの前でだったわ。
子供たちが生まれてからというもの、無表情だったルフィに笑顔が戻ったの。
まあ、それは私と子供たち限定だけどね。
毎日大人に囲まれて生活しているからか、2人とも人見知りもなく、すくすく育ってくれたわ。
最近は背の高いルフィが背をかがめて2人と手を繋いで庭園を散歩する姿が見られるようになり、官僚やメイドたちも暖かく子供たちを見守ってくれている。
その後ろを私とランがついて行くのも日課だ。
私も1年の産休のあと執務に復帰した。
その間は乳母や護衛たちだけでなくランが2人を守ってくれている。
2人ともランが大好きで、ランの背中によじ登ろうとしたり、遊び疲れてランにもたれかかって眠ってしまったり、見ていても微笑ましい。
子供たちが2歳になってから、2人は子供部屋で寝るようにしたの。
乳母とランが付いているからか、フェイもアディも平気そうだった。
母としてはちょっと寂しい・・・
それよりもルフィが寂しさを埋めるためか、私が出産してから子供たちと一緒に寝ていたせいであまり抱き合う回数が少なかったせいか、激しく求められる日々が続いたの。
・・・そりゃあ、妊娠するよね。
でも、双子たちが思いの外手が掛からなかった事もあり、私も次の子供が欲しかったし双子にも弟妹を作ってあげたかったから、ルフィと2人で喜んだ。
ルフィは妊娠が分かってから、私を労ってくれるし、毎日お腹の子に話しかけている。
前回もそうだったけれど、最新の育児書を読破したそうだ。
うん・・・この妊娠でも双子だと分かってしまった。
元気であれば男女どちらが生まれてもいいかな。
大きくなった私のお腹にフェイとアディが話し掛けるの。
「にぃちゃまだよ」「ねぇちゃまよ」はぁ癒されるわ。
アランとレイのところは去年もう1人生まれて男の子が3人になった。
レイは今も妊娠中。
『女の子が生まれるまで頑張るわ!だって娘をアディみたいに着飾りたいもの!』
いや、それは王妃様の趣味みたいなものだから・・・誰にも止められないのよ!
きたわね。
このお腹の痛みも久しぶり。
「もうすぐフェイとアディの弟か妹が産まれるわよ。いい子で待っていてね」
きゃーと喜ぶ子供たちにキスを送って出産に備えるわ。
ふふっルフィも少し前から公務を調整していたし、執務も前倒していたわね。
子供が産まれるのを誰よりも楽しみにしているのはルフィかもしれない。
さて!頑張りますか!
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いつも読んで頂きありがとうございます。
今回は久しぶりのエリー視点を書いてみました。
次話ルフランに戻ります。
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