第66話

いつもの朝だった。


毎朝私に手を差し出して迎えてくれるルフランに会うのが楽しみなのに少し気恥しい。

そんな気持ちで馬車に揺られながら学園に到着するのを心待ちにしていた。


いつもの道が通行止めになっていたようで違う道から学園に向かった。


それが何でこんなことになっているの?

それにアランはどうなったの?

何が目的なの?


レイは手を後ろに縛られて顔は見えないが気を失っているように見える。

目の前でアランが殴られて意識を失ったのを目の当たりにしてしまったものね。


これからどうなるの?

殺されず、女の私とレイを連れ去ったことから、考えられる最悪のパターン・・・集団レイプ・・・頭を過ぎるそれを想像するだけで震えが止まらない。


せめてレイだけでも逃がしてあげたい。

卒業後アランとレイは結婚するのよ。

レイはアランと幸せになるの。



私もレイと同じように手を後ろに縛られている。

大きな声を出して助けを求めても、外には聞こえないだろう。

私たちは地下に監禁されているのだから。


綺麗に整えられた豪華な部屋に今は私とレイだけ。


私たちを攫った男たち黒い布で顔を隠してはいるが、ねっとりした声で「後で楽しもうぜ」そう言って大声で笑いながら部屋から出て行った。外から鍵が掛けられる音も聞こえた。

次に鍵が開けられる音がしたら・・・


震えるな!

こんな時こそ冷静になれ!

ゆっくりと深呼吸を繰り返して心を落ち着ける。


大丈夫。大丈夫よ。

私たちが学園に登校しなかったことで、ルフランなら必ずウォルシュ家に問い合わせている。

従者か、意識を取り戻したアランから事情を聞いてすぐに動いてくれるはず。


大丈夫!大丈夫!何度も自分に言い聞かせる。


それに、こんな豪華な部屋を用意できる人間は限られている。

あれだけの男たちを使うにも大金が動いているはず。


高位貴族もしくは我が家の商会をよく思っていない競争相手・・・。


それか、ルフランを狙った令嬢かその親。

私を傷物にしてルフランに相応しくないと訴える為・・・。


そうよ、連れ攫われる時レイを気に入った男たちが「こっちの女も連れて行こうぜ!」と言っていた。

彼らの狙いは私。

レイは巻き込まれただけ。


レイの貞操だけは、たとえ私が何をされても守る。

その結果私がルフランに相応しくない身体になったとしても。


ルフランの温かさを思い出す。

もうあの腕に包まれることも出来なくなるかもしれない。

それどころか、優しい眼差しで見てくれることも、彼の暖かい手が触れることもなくなるかもしれない。


目に涙が浮かんでくる。


ダメだ!泣くな!弱気になるな!


誰が部屋に入ってこようが、怯えたところなんて見せない。

背筋を伸ばせ!

目に力を入れろ!


きっとルフランが助けに来てくれる。

絶対に最後まで諦めない。

ルフランを信じている。






~レックス視点~



私の作戦は上手くいったようだ。

その証拠にエリーが来ていない。


ついでにアラン殿とその婚約者殿もだ。

後で面倒な事にならないように2人を殺すなと命令しているが、多少の怪我は仕方ないだろう。


今頃ウォルシュ家では大騒ぎになっているだろうな。

私からの婚約の打診も断り、何度訪問しても私のエリーなのに会わせてくれなかった。

エリーが行方不明になって後悔すればいい。



あの場所を用意するのと、男たちを雇うのに安くは無い金がかかった。

まあ、エリーを手に入れるためだ。

エリーが私のモノになるのならば安いものだ。


朝の登校時にルフラン殿下にわざわざ声をかけたのも、私に疑いを持たせないためだ。

この記念すべき日に私が登校しているのもその為だ。


明日にはエリーの純潔は私に散らされている。

私のこの手で。


ああ、やっと彼女が私の気持ちに答えてくれる日がきた。

この日をどれだけ待ち望んだことか。

私ほどエリーを思っている者も、幸せを与えられる者もいない。


このまま誰にも知られずエリーを閉じ込めて、私だけが毎晩彼女を堪能する。

彼女が私の子を身ごもってから世間にお披露目すればいい。


エリーが私の子を妊娠するまでは、離れ難いが私だけは学園に毎日通わなくてはならない。

疑いの目を私に向けさせないためだ。


毎晩抱くんだ。

エリーが妊娠するのは時間の問題だ。

私と彼女の愛の結晶。

最初の子は彼女に似た女の子がいい。


私とエリーの幸せそうな様子を、あのいつも無表情のルフラン殿下に見せつけ絶望する姿を一日でも早く見たいものだ。


エリーが編入してきてから、ずっと独り占めしてきた罰だ。

私のエリーと手を繋ぎ、抱きしめた罪は重い。


やっと手に入れたエリーに早く会いに行きたい。

一晩中抱いて、彼女の喘ぎ声を聞きたい。

最初は痛くて泣いかれるかもしれない。だが夜が開ける頃にはきっとエリーは私との行為に夢中になっているはずだ。


2年前よりも膨らんだ彼女の胸を、揉みしだいて先を咥える。


エリーの純潔を散らした後は、前からも後ろからも攻めて抱き潰す。


マイが私のモノを口に含んだように、エリーの小さな口に私のモノを押し込むのもいいかもしれない。


私の行為に夢中にさせて、私なしでは生きていけない身体にする。


ああ想像するだけでイキそうだ。


エリーもうすぐ会いに行くよ。

大人しく待っていれば朝まで可愛がってあげるからね。

いい子にしているんだよ。











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