PENDLo.
のつなよ.exe
第1話 : アンカーショット
荒れたビル
地響き
走る戦車6両
6,7階建ての鉄筋コンクリート製の建物郡に
突如現れたのは11m程の怪獣
指揮官からの指示より
各自戦車砲撃を開始する。
怪獣はすこし怯むものの
ダメージは少ない。
反撃の魔力光線で蒸発する戦車達、
と同時に怪獣は
向かいの建物に叩きつけられる。
大きく立ち上った粉塵から姿を見せたのは
2足歩行型6.5mサイズの鋼の竜。
響く鈍い音
そのマシンOst-Rich後期Ⅱ型は
背負った一門のキャノンと
ワイヤーアンカーを怪獣に向けて揃える。
吠える怪獣。
魔力光線の予備動作と共に
マシンは3角飛びによる回避運動
見事、回避を行いつつ
流れる様にアンカーを射出
命中と共に勢いよく壁を走る。
ワイヤーの刺さった
怪獣を軸に、勢いで高く舞い上がり
背部に装備されたキャノンを発射。
弾ける怪獣の頭部甲殻。
そしてワイヤーを巻き取り
右足を突き出し...
怪獣の右側面にキック、
命中と同時にすかさず
その右足に仕込まれた
パイルバンカーを放つ。
完全に死に絶え、沈黙した怪獣に直撃させた
パイルバンカーをパージし
怪獣からデータをとろうとすると
何かがぶつかる乾いた音が鳴る
音の方を振り向くと
10歳行くか行かないかの
子供たちが何か言っている
あっち行けと頭をグッと近づけ
子供たちにジェスチャーすると、
脅かされた雀のように散り散りに逃げていく
そんな景色を見て
ため息を漏らしながら
(実際ため息を着いたのかは分からないが)
振り向いた
振り向いた時には
そのマシンの頭上半分は
綺麗に蒸発しており
パイルバンカーにより
完全に死んだ怪物の上に
煙を上げる杖を持った少年と
それを囲って喜び合う子供たちだけが
その戦場には残った。
2221年12月25日。
東京には久々のホワイトクリスマスとなり、
ユーラシアに"扉"が開いた。
その扉から現れたのは、
同じ人間だったが、彼らは元世界とは
大きく違った力を持っていた。
魔法。
特定のプロセスを踏み、発動する。
それまでフィクションの中で描かれて来た、
ヒト
勿論の事、一部の"扉"に近い国が接触を図る。
だが一瞬にして食い潰され、
逆にその国は"扉"の民の国へ変貌した。
しかし、どうにかしてその国へ
コンタクトを取り、
そして莫大なアドを手に世界を手に入れる。
そんな魂胆で近づいていく国は後を絶たず、
ユーラシアのほとんどは占領下に置かれた。
そんな脅威に対して、
ヒトは恐怖では無く好奇心を抱いた。
あわよくば利用しようと、
隠せきれない下心と共に。
そんなもの無ければ
こうなってはいなかっただろうに...。
第四次世界大戦が勃発し、
落とした豆腐のようにスピーディーに...
ノースアメリカ、サウスアメリカ、
アフリカ、ユーラシア、オーストラリア...。
人類が丸腰で生活のできる五大陸は、
あっという間に占領。
残す島国を放っておき、
ここに来て彼らは、創造主を名乗り建国。
世界の持ち主が代わる...。
だが、好奇心が呼び起こした事で
手に入れたモノもあった。
それが狼煙の火種になるのなら、
当然相手を許して放って置ける訳が無かった。
諦めて死ぬ事など出来なかった。
その国は海の上に小さく存在していた。
故に、まだ彼らには
存在が認められてなかった。
様々な国から幾人もの優秀な
科学者、技術者がそこに逃げ延びた。
その狼煙を掲げる為に...。
その国は紛れも無い日本だった。
そもそも低人数で突入した
前の三次大戦でその国のヒトは
随分と減ってしまった...。
ある程度の指導者と30000人程の国民だけ。
地方のインフラは稼働を続けられず、
都市部に多くと
一部が辺境で暮らしていた。
そこにやって来た技術者、科学者は
最も高い火山の麓に土地を購入。
大型の地熱発電所を造り、
そこからは稲妻が
天から地に降りる程のスピードで
研究が進んで行った。
マンパワーはクローン技術の応用によって
実現した人造人間を用いて
半ば無理矢理解決した。
クローン技術は未だ禁忌だったが、
そもそも法をどうこう言える人間は
この世界に既に誰1人として居なかった故に
目を伏せておいた。
だが核は目立つ上に
もし相手に分析されてしまった事を考え、
使わない方針となった。
どれだけナチュラルに戦況を押し返せるかが
技術者達は大切だと考えた。
どうでもいいが、
土地を売ってくれた国に敬意を払い、
人造人間達の公用語は日本語で決まった。
(技術者、科学者達はそもそも、
来日に伴い日本語を勉強していた。)
ところで、手に入れたモノは何か?
それは特殊構造の金属。
約6tの衝撃にも余裕で耐えうる強靭さ。
そして日本近海でも採れる、入手のしやすさ。
そこまでだと、ただ強く安いだけの金属。
大きく違うのは電気を流す事で、
それは収縮を行うということ。
そして細く延ばしたところで
強度がほとんど落ちないこと。
その特性は対魔怪獣用兵器に
大きく貢献する事となる。
人工筋肉...
例の金属によって完成した新たな技術。
戦士の義手義足には
少しスケールが大きすぎた。
(一応造られ、使用者が嘗ての生活を
取り戻す、若しくは新しい生活を
得る力とは十分なったがまた別の話)
そのスケールに合う兵器を創った。
いや、それを完成させる為に
その鋼の筋肉は産み出されたのだ。
5機の試作機が完成した。
コードネームは[Lyagushka(リグーシカ)]...。
その内1機はパンプアップを起こし、
そのまま動かなくなったが、
予備機の五号機を含んだ一から三号機は
問題無く稼働できた。
その為に人造人間を用意
パイロット3人を製作し、教育、訓練を施し、
一から三号機のLyagushkaは
初の戦場へと向かった。
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メカ紹介はこちら
[Ost-Rich]後期二型
https://kakuyomu.jp/users/notunayo-exe/news/16817330650546284225
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