第2話
東京都下の田園地帯にある小さなアーケード街。
深夜3時をまわる時間帯ゆえに
ゴーストタウンさながら、
「じゃあ、防犯カメラは、すべて
若い刑事が、おっとりしたガラにもなく声を荒げる。
アーケード街の入り口の直近の
「いやぁ。だって、ねぇ。刑事さん。"シャッター通りの
「メッセージ?」
刑事は、スーツの胸元から自分のスマートフォンを取り出すと、SNSアプリを検索して
「これ、公開のコメントに書きこんでるじゃないですか! 防犯カメラを
「はぁ、そうなんですか? わたしは、スマホとかネットとか、そういうのはサッパリなので。セガレにまかせっきりだから、そのヘンのところは」
「あのねぇ……。世界じゅうの人が、この商店街に防犯カメラがないって事実を知ることができたんです。そのせいで、ここが殺人の犯行現場に選ばれてしまった可能性だって……!」
「そんなこと言われたってねぇ。わたしは、何がなんだか……」
商店会長は、ピンとこない顔つきで、
そこへ、くだんの警部が助け船を出すように大きく声をかけた。
「おい、会長さんへの
「は、はい!」
若い刑事は、底のスリ減った革靴の上にシューズカバーを履いてから、アーケード通りの中央に広く張りめぐらされた黄色い規制テープを身軽に飛び越えた。
商店街にありがちなモザイク模様のコンクリートタイルを敷きつめた路上に、鑑識の
白々した冷ややかなスポットライトの中心には、黒いTシャツとラフなカーゴパンツを身につけた若い女がアオムケに倒れていた。
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