【カクヨム短編2022 中間突破 無念最終選考落選】『そこら辺にある暗黒街』 第二章 渋谷最強の男

石のやっさん

プロローグ 

中学生当時の私は、訳の分からない公立に通っていた。


名前は問題が起きると不味いから伏せるが『進学校なのに不良校』という訳が解らない学校だった。


何しろ

中学卒業→名門高校→東大

中学卒業→不良校→ヤクザ

中学卒業→妊娠→ヤンパパ、ヤンママ

※仕事は真面目にしている。


こんな進路を歩む同級生が居るから、今となっては不思議だ。


事実、私の卒業時には妊娠した女生徒が4名居て、1人は同級生だった。


結構可愛かったから射止めた相手が30過ぎのじじいだと知った時はクラスに戦慄が走った。

後の同窓会で知った事だが、12歳から付き合い15歳で妊娠。

中学卒業後、16歳で結婚…そして17歳で離婚。


すさまじいよな?


今回の話には彼女は関係ない。


当時の中学の酷さを伝える為に書いた一例に過ぎない。


話を戻すが、本当に私が居た中学は、進学校だけど風紀に乱れた中学だった。


しかも『硬派』と歌っている不良が多い癖にラブホで補導される奴も多い。


『訳が解らない』


そんな中学で私は過ごしていたのだが…


私はというと、今風に言うなら『底辺』だった。


柔道は茶帯で1級(初段の下)だが、暴力が嫌いで喋るのが苦手。


最初は、柔道を習っているから一目置かれたが『やり返さない』性格が災いして、こんな事になってしまった。


いまでは…


「コンビニまで走っておにぎりとジュース買ってきて」


「私はマック、可愛そうだからビックマックとシェイクで良いよ」


「あっ、俺、焼き鳥…缶詰ね」


休み時間にかや昼休みに買い物に行かされる…しかもこれは全部『私がお金を出さない』といけない。


「先輩が女妊娠させてカンパしなくちゃいけねーんだ! 泉は1万な」


兎に角、金金金、金を私から奪い取る。


しかも、私の家はそんなに裕福じゃない。


此奴らの家の方が、余程裕福だ。


それなのに…これだ…


『やり返そう』そう何回、そう思ったか解らない…


だが、


「俺に逆らうと極悪地獄が黙ってねーぞ!」


「俺巣ペククトラルのメンバーだから、攫っちゃうからな」


「あたいは、陽気婦人だけど? 文句ある?」


すぐに暴走族のバックの名前を出され恐怖から私は体が竦み。


従わざるおえなかった。



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