第2話 人の癖も自分の癖も最大限に利用する


 第1話で、動き出した瞬間にゴールが外れるだろうと思ったと言いましたが、私は、基本的に人の癖というものを気にする人なのです。


 今年は、時々、独立リーグの野球の試合を見に行きました。


 野球もですが、贔屓チームの勝ちはとても嬉しいです。


 そして、観戦中に選手達の動きを見るのは、とても感動しました。


 そんな中、リリーフで出てきたピッチャーなのですが、投球動作に違和感を覚えたことがあります。


 その違和感の原因が何だとおもった瞬間、そのピッチャーは、1塁に牽制球を送りました。


(ああ、そうだったのか)


 納得の瞬間でしたが、これは、その日、出てきた投手が、初めて1塁に牽制球を投げる前に感じました。


 なお、私は、野球に対しても素人です。


 学生時代にクラスマッチに出たとかの程度の野球経験者でしかありません。


 そんな私にも、そんな違和感が感じる牽制球でした。


 それが、クロアチア戦のPK戦の1人目の動き出した瞬間に感じました。




 人は、必ず癖があります。


 その癖を隠すなんて事は不可能に近いはずです。




 今、プロ野球のコーチをしているメジャーにも行ったピッチャーの人が言ってた事です。


「投球の癖は、直す必要は無い。 それを理解して上手く使うこと。」


 こんなような事を言ってました。


 要するに、その人は、試合で投げている時、ストレートとカーブに癖がある事を自分でもよく理解しているそうです。


 そして、その癖を見極めてくるバッターに対して、ストレートの癖でカーブを投げたり、カーブの癖でストレートを投げていたそうです。


 カーブの癖で投げているのにストレートを投げられたら、振り遅れてしまいますし、ストレートの癖でカーブを投げられたら、スイングが早すぎて、まともに打てるわけがありません。


 それを使い分けていたそうです。


 そして、その癖を使って三振を取った後のバッターの様子を見ていると、次のバッターとのやり取りには、情報と違うといったような様子をしていたと言ってました。


 おそらく、そんな事をするのは、試合中に1・2球程度でしょうが、その程度の事で、試合は大きく流れが変わるでしょう。


 その癖を使って球種を変えた事で、そのイメージが残ってしまう。


 残ってしまったら、集中力が欠けてしまう事になります。


 気持ちを切り替えるには、残ったイメージを打ち消す事が重要なのでしょうけど、イメージを打ち消すって記憶に残っている事になりますが、それは非常に難しい事ではないでしょうか。




 カーブの癖でストレートを投げる。


 右へ蹴ろうとして、左に蹴る。


 野球であろうと、サッカーであろうと、レジェンドと言われる人達は、自分の癖まで利用して勝ちに執着しているから、このようになるのではないでしょうか。




 そして、目の前で起こった1球のイメージを打ち消すには、時間が必要ですし、それを克服するには、相当な精神力が必要でしょう。


 PK戦のような前の選手の後に、直ぐに蹴る必要がある時などは、最初の選手の一蹴りが大きく印象に残るでしょう。


 それは、後出しの一蹴りができない。


 右に打とうしていたが、キーパーもその方向に移動した。


 そこから、上か下か、キーパーから一番遠い位置に打てるなら、それでも良いでしょう。


 レジェンドと言われる人達は、その後出しができるからPKを外さない。


 そんな人をクロアチア側は、1番目の選手として、用意したのではないでしょうか。




 戦いというのは、戦う前に勝敗が、ほぼ、決まります。


 それを戦略と言いますけど、戦略を戦術面で覆すのは至難の業なのです。


 勝つか負けるかの世界で、運任せなんてことは無いと思った方が良い。


 監督とコーチは、その為に選手達の様子を見て、状況判断をします。


 だから、プロのチームには監督なりコーチなりが存在します。


(中には、試合中、監督やコーチが口を出せない競技もあります)


 輪の中に居たら見えないものが、輪の外からなら見える。


 そんなものは、どこにでもあります。


 集中し過ぎて見えないなんて、当たり前ですから、それをコントロールするのが、監督でありコーチであります。


 戦う選手以上に大事なのは、監督とコーチです。


 選手は、戦術面に優れていますが、戦略面は、選手以上にそれを見ている側にあります。


 試合を見ていて、なんで、お前がそこに居るんだとか、お前は何でそこに居なかったんだ、なんて思う事は多々あると思います。


 それが、外から見る事の重要性なのです。


 選手には見えない部分が、外に居る人には良く見えます。


 その役目を果たすのが、監督とコーチなのです。


 選手の不足する部分を補い、指示を与える。


 そう言った部分も、世界を相手に優勝するには、少し足りないのかもしれません。




 ですが、日本という国は、逆境に強い。


 女子バレーボールは、世界と肩を並べております。


 回転レシーブ、移動攻撃などは、女子バレーボールが、背の高い海外選手と戦うために考え抜いて編み出した技です。


 出来ないなら出来るようにするというのは、日本人独自の能力ではないでしょうか?


 そして、5バックによる防御手段でベスト16に進んだ監督も居たと思います。


(サッカーは、詳しくないので、曖昧なので、5バックを考えたの人が誰なのか知りません)


 日本サッカーは、後一つスパイスが加わったら、大きく爆発するでしょう。


 そして、一番最初にアジアにワールドカップ優勝をもたらすのも日本だと、私は、信じております。


 それは、次回大会か、その次の大会で実現して欲しいと思っております。




 女子ワールドカップ優勝の感動を、男子でも見たい。


 いえ、近い将来、その日が来るでしょう。

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