せっかく転生したので、第二の人生好きなように楽しみたい!

モコウモコ

プロローグ

 俺はたった今、会社から全力で逃走している。


「クソ!あんな会社やってられるか!毎日毎日サービス残業、おまけに上司はイカれてるし俺の人生台無しだぜ!!!!」。


 自転車を爆走でこぎ、社員寮から一刻も離れようとする。


「はぁはぁ...まず、実家に帰ってそれから退職代行サービスに連絡、後は新しい仕事..........そういえば、バックレるって確か転職に不利になるって書いてあったような......あ...」


 一瞬焦りと恐怖が俺を襲ってくるが、今はそんな事を考えている暇は無い、転職に不利ということよりも、もしかすると連れ戻されるかもしれないという焦りと恐怖の方が勝っているのだ。

「駅までもう少しよし!青信号!このまま、会社を辞めて第二の人生を楽しみまく...」


 ガシャャャン


 鈍い音共に全身に激痛が走る、助けを求めようとしても言葉を出す事が出来なかった。


(痛い....こんな事ってあるか...?)


 俺は、跳ねられた方を見ると、人が車から降り焦りながら電話をしていた。普通に考えて救急車を呼んでいるんだろう。


(遅せぇよ...ちくしょう俺の第二の人生が!)


 知らない奴が必死に安否を確認してくるが、俺の意識はそこで途絶えた。


「·········起き······ろ···············起きろ!!」

 ダンッ!

「うわぁぁぁあああ!!!!!!!!!!」

 俺は、何者かに叩き起される咄嗟に振り向くと、そこには神々しい姿をした女性がたっていた。


「だ...誰?」


「我が名はマリナ、この世界の神だ。知っていると思うがお前は交通事故により死んだ、本来天界に送るはずだが...天界が今過密になっているためすまないが、お前には別世界に転生してもらいたい」


「は?.....え?.......えぇ」

無理もない、神と名乗っている奴に急に死んだから転生しろって、言われたら誰だって戸惑うに決まってる。


「嫌だなぁ、過密でもいいので天界に連れて行って欲しい。」


「能力とか、おまけするからさぁ、お願いだよ〜」

転生を断ると、神は能力をおまけするといい、馴れ馴れしくなった。


「無理だ」

「お願い」

「無理だ!!!!!!」

「色々サポートしますから...」

「出来るわけないだろ!!!」

「·········じゃあ消すしかないね、最初からそうすれば良かった」

「わかりました転生します」


一瞬、凄まじい殺気を感じた。

(これは、冗談じゃない本当に消される)と、本能が察知するぐらいの殺気に俺は負けた。


「いいご決断ですよ、ありがとうございます」

神は嬉しそうにそう言うと、大きな扉を開いた。


「これからは、地球の住民ではなくこの異世界の住民として生きてもらいます。それじゃあいってらっしゃい」


「こうなったら異世界で、第二の人生を始めてやる!!」

俺は、神に従い扉に入ると、そこは...。



《異世界》だった。



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