第11話 掴マレル
「……な、なあ。俺たち、友達だよな?」
「はあ?どうしたんだよ、いきなり」
「こ、答えてくれよ。俺たち、友達だよな?」
「当たり前だろ。何わけの分からないこと言ってるんだよ」
「やめてくれ……」
「え?」
「やめてくれよ……」
「だから、何言ってるんだよ。さっきからさ」
「……ごめん、ごめんな。あの時、見捨てて逃げたりして……。お前が足首掴まれてるって言った時、怖くて、どうしようもなくなっちゃって……。後で戻ったら、トンネルの真ん中に空っぽの車があるだけで……。行方不明ってことになったけど、もしかしたら、どこかにいるかもしれないって、諦めきれなくて、どうしようもなくて、またここに来たんだけど……ごめんな……ごめんな……」
「……そんな顔すんなよ。俺たち、友達だろ?」
「う……うん……」
「だから、こうして迎えに来たんだよ」
足元——アクセルペダルとブレーキペダルの間から顔を覗かせている友人が、満面の笑みを浮かべながら言った。
次の瞬間、俺は両足首を掴まれ、凄まじい力で奈落の底へと引っ張られた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます