第2話 愚かさ
「お前んち絶対儲かってないわ」
何の話の流れか分からないけれど、そんな事を女子のひとりに言われたのだけは覚えている。
そして、言われた本人でありながらも、全く理解していないのが僕だった。
町の小さな電器店。それが僕の生まれた家庭。
それだけで何となくお察しだろう。家電量販店が台頭しだして、今ではネット通販が幅を利かせている時代に、町の電器店に訪れる客ってどれだけいる?
僕の少年時代もすでにその兆候はあった。少し行けばJoshinなんてのもあってさ。
だから、お店ではあっても、繁盛店なんかではない。多少知ってる人なら、家電の設置や修理なんかで売り上げていたのでは?と思うかも知れないが、親父は大抵店にいてテレビ見てるか、パチンコ行きだ。
そんな家庭で僕は、同級生よりもずっとお金のことに関心がなかった。普通の家庭では小学生のうちにそんな事を考えて悪口に使うほどに関心を持つような教育をしているのだろうか?
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