第86話 レベル9

 色々なことがあって疲れてしまいましたね。


 ミズモチさんの魔力補給も出来ましたので、しばらくは冒険者業をお休みしても、なんとかなりそうです。


 ご近所ダンジョンさんは最近危険になっているように感じますね。

 私はビールの蓋を開いてグイッと一気に飲み干しました。


「プハ~!!! 色々と考えるのは大変ですからね。たまには忘れるぐらい酔いたいものです」


 毒耐性さんを取ってからは、お酒も相当強い物でなければ酔うことが出来ません。

 ビールは本当に味を楽しんで、お酒を飲んでいる雰囲気を味わうだけです。


「レベルが上がったので、確認をしていきましょうか」


 レベル 9(SP90)


 SPをタッチすると項目が現われました。


 ・魔物の攻撃強化+8

 ・魔物の防御強化+8

 ・魔物の魔法強化+8

 ・魔物の魔法防御強化+8

 ・魔物の異常耐性強化+8

 ・魔物の回復力強化+8

 ・魔物の異常耐性回復+8

 ・魔物の魔法中級

 ・魔物言語学基礎

 ・危機察知

 ・毛? それとも……


 今回の項目を開いた私はミズモチさんに関する項目が多いように感じました。

 いつも11個のスキルが出現して、私の方の強化が三つほど存在していました。

 ですが、今回は危機察知だけです。


 毛?それとも…… これに関しては触れないで良いでしょう。罠の気配しかしません。


 それともって、毛?と何があるんでしょうか?もう怖さしか存在してません。


 それともの先をせめて書いてください。

 しかも消費56って微妙に高いです!

 マックスでもなく、半分でもなく微妙に高いってことは何かあるんでしょうけど、恐すぎて取れません。


 いつも通りミズモチさん優先に決まっています。


 new 魔物の魔法中級


 ・魔物の属性に応じた魔法が使える。


 ミズモチさん【水】【氷】


 ミズモチさんの魔法が進化しました!!!

【氷】、水の上位ということなのでしょうか?でも、まだ中級ということは、その上が存在するんでしょうね。

 ミズモチさんが凍ってしまったら?氷まんじゅう?ミズモチ氷でしょうか?

【水】ウォーターなので、【氷】はアイスでしょうか?


 new 魔物言語学基礎


 ・魔物の言葉を理解できるようになる。


 えっ?魔物さんたちが言っている言葉が分かるんですか?いつも「GYA」としか聞こえていませんでした。あれって言語だったんですね。

 そうなると、ミズモチさんとお話ができなかったのも、私がミズモチさんの言葉を理解していなかったということでしょうか?


 new 危機察知


 ・察知の上位スキル(ボッチで探索時は正確性アップ)


 なるほど、察知さんが発展したということですね。

 察知さんには、いつも助けられておりますからね。

 それは助かりますね。

 危機察知ということは、今まで以上に魔物の居る場所がわかるようになるのでしょうか?


 ふぅ~魔物言語理解は、ミズモチさんのための能力かと思いましたが、私が魔物と話すためのものだったんですね。ですが、魔物にも言語があるというのは、皆さん知っているのでしょうか?


 ネット検索をかけますが、魔物言語は一切出てきません。ほとんどが、魔物の鳴声ばかりで、それはそれで色々な魔物がいることがわかって驚きました。


「ふぅ~なんとかスキル調整は終わりましたね。ミズモチさん、いかがですか?」


【ミズモチさん】《ヒデ~わかる~》


 おっ!念話さんがなんだか、明確な発言をしているような気がします。


 今まではカタコトなのか、ちゃんとした言葉なのかよくわからない音声通話のようでした。

 初めてミズモチさんが話してくれているように感じます。


「やっとです。やっとミズモチさんと、ちゃんと会話出来ている気がしますよ。

 それに私のことをアベ~ではなく。ヒデと呼んでくれました。私の名前を理解してくれているのですね!」


 私が問いかけると、ミズモチさんは首を縦に振るように身体を上下に動かしました。

 今まではプルプルしていただけだったのに、ちゃんとした反応です。


「あれ?これって私の言葉が理解できているのですか?もしかして、魔物言語学基礎って私が分かるだけじゃなくて、魔物さんにも私の言葉がわかってもらえるのですか?」


【ミズモチさん】《ヒデ~わかる~》


「うわ~嬉しいですね。まだ、ミズモチさんの声ではありませんが、いつかはミズモチさんと、ちゃんとお話ができるように成れるかもしれませんね。

 それにご近所ダンジョンであった白鬼乙女さんとも、もしかしたら話をして襲わないように言えるかもしれませんね」


【ミズモチさん】《ヒデ~ゴハン?》


「えっ?疑問系でしたよね?そんなことまで出来るんですか?凄いです。ミズモチさんが進化しておられます。

 レベル10になったら肉体的にも進化をするのでしょうが、その前に色々と凄いです!」


 私はミズモチさんを抱き上げて、高々とミズモチさんを投げてみました。


【ミズモチさん】《タカイ~タカイ~オモシロ~》


 なんだか良いですね。こうしてお話が出来るって凄く幸せです。高い高いはミズモチさんに好評でした。

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