第77話 レベル8
シズカさんとの楽しい夕食を終えて店を出ました。
オジ様が集う場所に咲いた一輪の華とは、なんともミスマッチでありながら、ほっこりとみんなが幸せになるものですね。
ミズモチさんも串カツに大満足です。
「阿部さん!今日はご馳走様でした」
「いえいえ、二人で稼いだお金ですから」
「ふふ、ほとんど阿部さんが倒してくれましたけどね。今日1日、楽しかったです!」
「はい。私も楽しかったです」
「また、私と二人でも行ってくれますか?」
「もちろんです。私でよければいつでも声をかけてください」
シズカさんは本当にいい子ですね。
私のようなオジサンにも優しくしてくれる貴重な若者です。
「阿部さんって、ヒデオさんっていうんですよね?」
「はい。覚えていてくれたんですね」
「もちろんです。あの〜これからはヒデオさんって呼んでもいいですか?」
「もちろんですよ。私だけ、シズカさんって呼んでいるよりも、その方が嬉しいです」
可愛くガッツポーズをしてくれるシズカさんは一つ一つの動作が可愛いですね。
「じゃ、今日は帰ります。ヒデオさん」
「はい。本日はありがとうござました。シズカさん」
二人で視線を合わせて笑い合ってしまいました。
シズカさんの姿が見えなくなるまでお見送りしてから、私は家へと帰りました。
しばらく幸せな余韻を楽しんだ後に、ミズモチさんとお風呂に入って、落ち着きを取り戻しました。
さて、レベルが上がりましたので、スキルチェックです。
レベル 8(SP80)
SPのタッチすると項目が現われました。
・魔物の攻撃強化+7
・魔物の防御強化+7
・魔物の魔法強化+7
・魔物の魔法防御強化+7
・魔物の異常耐性強化+7
・魔物の回復力強化+7
・魔物の異常耐性回復+7
・念視
・属性魔法中級
・夜目
・毛?
もうツッコミませんよ!わかっているんです。
きっとこれは誰かの陰謀なのです。
私の頭髪を弄んでいるんです!
毛?って、もう毛ですかって聞いてるじゃないですか!!!
?ってなんですか……しかも、スキル消費ポイント10って逆に怖いですよ!
この間まで最大値だったじゃないですか!
これを取れば絶対良くないことが起きるとしか思えませんからね!!取りませんよ!!!
new念視
・魔物の見ている視界を一時的に共有できる。
ええ!ミズモチさんが見ている世界が見えるんですか?それは凄く見たいです!
これは凄いスキルなのではないでしょうか?
でも、念話さんも最初はあまりいい思い出がありませんからね。ここは期待しないでおきましょう。
new属性魔法中級
・習得している属性魔法を強化して使うことができる。
阿部秀雄【閃光】
う〜ん、ライトが閃光?フラッシュということでしょうか?正直違いがわかりませんね。今までのライトで十分に便利に使えていますからね。
ただ、どうして頭から発生するのかだけは、変えてくれないでしょうか?普通に手から出てほしいです。
new夜目
・暗いところで良く目が見える。
あ〜これはあれですね。
悪臭カットさんと同じで、最近夜目が見えにくくなった私への優しさでしょうか?
確かに夜道を歩いていると見え辛いなぁ〜って最近思っていたんです。それにご近所ダンジョンさんが行けなくなって、他のダンジョンに行った時も、夜は目が見えなくて困っていたので助かりますね。
「ハァ、一先ずスキルの振り分けは終わりですね。
いつもレベルが上がるのは嬉しいのですが、心のダメージを負ってしまう気がします。色々と暗示させられるからでしょうか?」
ミズモチさんの能力も上がりましたので、今回は念話さんは進化していますかね?
「ミズモチさん。何か変化はありますか?」
【ミズモチ】《アベ〜な〜に〜》
「えっ?今、私の名前を呼んでくれたのですか?もう一度、もう一度お願いします!!!」
【ミズモチ】《アベ〜》
「ありがとうございます!!!いや〜いつか名前を呼んで欲しいと思っておりましたが、まさかこのタイミングとはありがとうございます。
ですが、出来ればヒデオの方が私個人なので、呼んでほしいのですが……」
【ミズモチ】《アベ〜な〜に〜》
「高望みしました。絶対に次のレベルアップでは、名前を苗字ではなく、名前をお願いします」
一先ず、本日はミズモチさんに名前を読んでもらえることを楽しみましょう。
【ミズモチ】《アベ〜》
「はい。ミズモチさん」
【ミズモチ】《アベ〜ゴハ〜ン》
「またお腹空いたんですか?ふふ、本日は串カツでしたからね。いっぱい食べたんですけどね。一つ一つが小さいですもんね。パンでも食べましょうか?」
私は、朝食用に買っていたクロワッサンをミズモチさんと美味しく頂きます。
【ミズモチ】《アベ〜ありがとう〜》
ふふ、名前を呼んでもらえるだけなのに、凄く嬉しいのは何故なんでしょうね?ハァ〜幸せです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます